先日、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の制作決定が発表されました。
チェンソーマンことデンジは、雨の日の電話ボックスでレゼと出会い恋に落ちます。
『チェンソーマン5巻』からのお話です。
レゼがデンジに質問する場面があります。
「デンジ君はさ、田舎のネズミと都会のネズミどっちがいい?」
参照 チェンソーマン5巻
イソップ寓話のひとつで、内容は、
「田舎のネズミは安全に暮らせるけど都会のようにおいしい食事はできない
都会のネズミは美味しい食事をできるけど人や猫に殺される危険性が高い」
参照 チェンソーマン5巻
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』制作決定を受けて、
『まちねずみジョニーのおはなし』を久しぶりに読んでみました。
私が読んだのは いしいももこ訳 です。
近年に作家・川上未映子 訳が出ています。
kindleunlimitedで読める、街ねずみジョニーのおはなし。
田舎ねずみ、チミーが都会についたとき、
そして、たいへんていねいに、チミーをほかのねずみたちに しょうかいしましたが、そのねずみたちは みな、しっぽがなくて、しろいネクタイをつけていました。
それにくらべて、チミーのしっぽときたら、まことにおそまつでした。
ジョニーや、ほかのねずみたちは、すぐそれにきがつきましたが、みなそだちのよいねずみだったので、ひとのようすのことなどは、くちにしませんでした。
ねずみ社会!すごくないですか!?
「まちねずみジョニーのおはなし」は初版1918年発行にして、他人の容姿についてイジることは、育ちが良ければしないことが紹介されています。
絵本はこどものしつけのために読み聞かせるところが昔は大きかったので、このような描写が入っているのでしょう。
しかし、みな口に出さないもののチミーのシッポを「おそまつ」と思っているのは残念ではありますが「これが現実」という厳しさも教えてくれていると思います。
そして続きがあります。
ただ1ぴき、「ねずみとりにかかったことがあるのですか?」と、チミーに聞いたねずみがいました。
ひぇー!
育ちの良いねずみの質問ですから、これは悪意がありますよね?
チミーはしっぽが短いだけで、ねずみとりで失ったわけではないし、この後の「食事を用意している若い二匹のねずみ」の描写を読むと、そのような仕事をしている身分の低いねずみでないかぎり、都会のねずみはしっぽが短くなることが無いことが伺えます。
貴族というのは、こういう感じで嫌味を言うものなのでしょう。
ピーターラビットの絵本は、大人になって読むと新たな発見があります。
都会を過ごしたチミーと、田舎を過ごしたジョニーの感じ方の違いも興味深く、おすすめです。
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』公式ティザーPV