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SF映画『マスターズ・オブ・ユニバース』感想と考察|スケルターの正体やグレイズカル城がドクロな理由を解説

映画『マスターズ・オブ・ユニバース』なぜ人気があるのか?声優は? スケルターの正体やグレイズカル城がドクロな理由を解説

Amazon Prime Videoで配信スタートした映画『マスターズ・オブ・ユニバース

「めちゃくちゃ人気があるらしいけど、人気の理由がイマイチわからな」と思っていたのですが、観てみたら大まかに理解できた気がします!

ドルフ・ラングレン主演の『マスターズ/超空の覇者』(1987年)以来、39年ぶり二度目の実写映画化。作中でドルフ・ラングレンが登場した瞬間は、思わず声が出ました!ただ、主人公の父親役(ランドール国王)ではなかったのが残念。威厳ある父親役としてバトンタッチしてほしかったところです!

今回紹介する映画

中世ファンタジーとSFが融合した、アメリカで大人気のSFアクション

マスターズ・オブ・ユニバース

惑星エターニアの王子アダムは記憶を頼りに地球で剣を探しつつ、とある会社の人事部として働いていた。

監督トラヴィス・ナイト
主演 ニコラス・ガリツィン
共演 カミラ・メンデス、イドリス・エルバ、モリーナ・バッカリン、ジャレッド・レト
吹き替え鈴木崚汰、杉田智和、安済知佳、東地宏樹、花澤香菜、坂本真綾
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心に残る名言:子供時代のアダムとダンカンの関係

本作で特に印象的だったのが、幼少期のアダム王子のエピソードです。

幼いアダムは、師であるマン・アット・アームズ(ダンカン/イドリス・エルバ、CV:東地宏樹)から厳しい訓練を受けていました。「こんなに幼い王子にそこまでさせる?」と思いつつ観ていると、息子の訓練態度に不満を覚えた父・ランドール国王が自ら手合わせをすることに。

しかし、アダムはあっという間に父親に倒され、「弱者に居場所はない」と冷たく言い放たれてしまいます。厳しすぎる父親にショックを受けるアダム。そんな彼に、ダンカンは優しくこう語りかけるのです。

「倒れた時は、大きく立ち上がるチャンスだ。いいな、屈していない姿を見せるんだ」

不屈の精神を説くダンカンの言葉。子供の頃に大人から掛けられた言葉って、大人になってもずっと心に残っていたりしますよね。アダムにとっても、このダンカンの言葉がその後の人生を支える大きな糧になります。

……と、子供時代にはあんなに頼もしくてカッコよかったダンカンですが、15年後の現代で再会した彼はすっかりやさぐれてしまっているという凄まじいギャップ! 時の流れは残酷ですがリアルな人間臭さがあって妙に納得してしまいました。現実でも「あんなに立派だった人が数年後には……」なんてこと、たまにありますよね?

オタクの脳内を覗いているような怒涛の展開!

惑星エターニアが宿敵スケルター(ジャレッド・レト / CV:杉田智和)に攻め込まれ、幼い王子アダムは地球へ脱出します。

大人になったアダムは記憶を頼りに「力の剣」を探しつつ、とある会社の人事部として働いていました。……って、15年も探していただけ!?周囲からは「痛い剣オタク」だと思われて誰も信じてくれません。

ある日、ようやく「力の剣」を見つけるのですが、その場所がなんとコミックショップ! 海外ドラマ『ビッグバン★セオリー』に出てくるようなマニアックなお店です。「なんでそんなところにあるの!」とツッコみたくなりますが、貴重なフィギュアや価値の高いコミックが眠る場所なので、「力の剣」が見つかるのに相応しいオタク心くすぐる演出。ユーモアがあってB級感が一気に増します。

  • 「ハイランダー気取りかよ」(剣といえば名作映画『ハイランダー 悪魔の戦士』!)

  • 絶妙なタイミングで流れるSnap!の名曲「The Power」など

そして極めつけは、幼馴染・ティーラが美女になってアダムを迎えに来る!

まさにオタクが夢に見るような憧れのシチュエーションが盛りだくさん。

アダムの「ほら!本当だって言っただろう!!」のセリフは妄想が現実となったオタクの勝利宣言にも聞こえます。

舞台が惑星エターニアに移ると、全体に80年代風のSF感(主に『スター・ウォーズ』)が漂い、これまたオタク全開の世界観が広がります。

主人公「ヒーマン(アダム)」の起源とは?

そもそも「ヒーマン」は、1981年のオリジナルおもちゃ展開から始まった大人気キャラクターとのこと。 マーク・テイラー(T. Mark Taylor)氏がコンセプトデザインを手掛け、中世ファンタジーとSFが融合した独特の世界観として形作られました。

アダムが剣を発見するコミックショップにあった大きなフィギュアは、初期のヒーマンのコンセプト画にそっくりなのだそう。映画『コナン』のオマージュと感じる人も多いようですが、一説には「もともと映画コナンの公開に合わせて作られた玩具だった」という噂もあります。

長年の人気キャラクターだけに、知っている人にしかわからない超マニアックな演出もこの映画の大きな魅力。ネット上でファンの考察や交流が活発に行われるのも納得です。

なぜ敵のスケルターは攻めてきたのか?

顔は骸骨なのに体はめちゃくちゃマッチョでかっこいい悪役、スケルター。「青い肌と骸骨の頭部を持つ邪悪な魔法使い」というキャラクターで、「スケルターのスピンオフが見たい!」と言われるほどの人気ぶりには私も大賛成です。

1/6 ムービー・マスターピース マスターズ・オブ・ユニバース スケルター
注目フィギュア

1/6 ムービー・マスターピース マスターズ・オブ・ユニバース スケルター

演じるジャレッド・レトの特徴を捉えた骸骨のヘッドは新規造形!眼部には赤く光るLEDライトアップギミックを搭載した全高約30cmのハイエンドフィギュア。

ただ、映画だけだと「なぜ攻めてくるのか?」が「剣が欲しいから」くらいにしか読み取れず、少し物足りなく感じました。気になって調べてみると、2002年版の設定で「スケルターはアダムの叔父であり宿敵」という事実が追加されたとのこと。 なるほど、アダムと同じマッチョ体型とは感じていましたが「親戚」と分かればめちゃくちゃ頷けます。

ファンなら誰もが知っている前提で説明が省かれていたのかもしれませんが、初見ユーザーにはちょっと厳しい!「叔父ってことは、元は人間だったの!?」とさらに謎が深まります。

詳しく深掘りすると、スケルターは元々「ケルドール」という人間の叔父でした。戦いで瀕死の重傷(顔に酸を浴びる事故)を負った際、悪の支配者「ホルダック卿」に救われたことで、現在の青い肌と頭骨の姿へと変貌したのだそうです。……設定が濃い!

「我が手にパワーを!」39年前と衣装の違い

力の剣で変身したアダムは、自動的に身体がマッチョになり、髪もセットされ、露出度の高いグラディエーター風の衣装へチェンジしました。

1987年版『マスターズ/超空の覇者』のドルフ・ラングレンは乳首全開で下半身の露出度も凄かったのですが、今作のアダムは胸元が隠れ腰巻をしたファッションに。「現代の配信基準(BAN対策)に合わせたのかな?」と思いきや、実は、1983年の最初のテレビアニメ『ヒーマンとマスターズ・オブ・ユニバース』の衣装を忠実に再現したものでした。ドルフ・ラングレンのかなり攻めたデザインは、元があるちゃんとした衣装だったことに驚きです。

 

また、アダムが地球の人事部で働いていた経験を活かし、話し合いで解決しようとしたり「みんなで協力しよう」と説得する姿には、「力任せではない現代的なヒーロー像」を感じました。

しかし!これも調べてびっくり。1983年のオリジナルアニメ版でも、物語のラストにアダム(ヒーマン)が視聴者の子供たちに向けて「今日の道徳(Moral of the day)」を語りかけるミニコーナーがあり、「話し合おう」「協力しよう」というメッセージは昔からヒーマンの核にあった要素だったそうです。 その伝統的な設定を「地球の人事部としてのキャリア」という現代的な設定に落とし込んでいるセンスよ。

衝撃!なぜ正義の城が「骸骨デザイン」なのか?

一番困惑したのが、正義の味方であるアダムたちの拠点「グレイズカル城」のデザインです。スケルター(骸骨)が建てた城なら納得ですが、攻め込まれる前からなぜ骸骨デザインなのか……?

このややこしいデザインの理由を調べたところ、玩具開発時の歴史に辿り着きました。

もともとマーク・テイラー氏による初期コンセプトは「魂の住処」というアイデアで、1933年の映画『キングコング』の髑髏島(スカル・アイランド)の影響を受けたものだそう。当時は「正義の味方の拠点」という明確な設定が決まっていなかったため、初期の玩具パッケージの箱絵では、なんと悪役のスケルターが城の中に立っている構図で描かれていたのです。

最初は「悪役の城」としてデザインされたものが、後から物語が作られる中で「正義の味方の拠点」に変わった……というなんともアバウトな経緯を知って、ウケてしまいました。だからあんな不思議なことになっていたのか!

Wikipediaなどで「グレイズカル城」の複雑な設定の歴史を読むと、とても映画1本の中で説明しきれる量ではないことがよく分かります。

まとめ:頭を空っぽにして楽しめるが、知れば知るほど深い!

映画自体は小難しくなく、頭を空っぽにしてスカッと観られる娯楽SFアクションです。 しかしその背景には、「80年代玩具文化の混沌とした歴史」とマニアックな設定がぎっしり詰まっています。

「なんかツッコミどころが多いな?」と感じた方こそ、ぜひ背景を調べてみてください。作品の深さと愛おしさに度肝を抜かれ、何倍も楽しめること間違いなしです!

 

吹き替え声優も豪華です!

鈴木崚汰 、杉田智和、安済知佳、東地宏樹、花澤香菜 、坂本真綾など

 

参照リンク

He-Man - Wikipedia

Skeletor - Wikipedia

Castle Grayskull - Wikipedia

 

伝説のミーム動画『HEYYEYAAEYAAAEYAEYAA』 

 

曲 Snap!「The Power」

 

 

クイーンの楽曲「Princes Of The Universe」も流れます。

この曲は、映画『ハイランダー 悪魔の戦士』のサウンドトラックとして書かれました。

映画『マーティ・シュプリーム 』感想|卓球対決が熱い!ティモシー・シャラメ vs 川口功人(エンドウ役)世界選手権&ゲーセン対決が白熱

映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』感想レビュー

映画『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』がAmazon Prime Videoで配信スタートしました。タイトルやサムネで何の映画かさっぱりわかりませんでしたが、「ティモシー・シャラメが卓球の世界チャンピオンになって、人生一発逆転を狙う男を熱演」とわかり内容に惹かれて視聴しました。実在の卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得た本作。なんと、日本人選手と熱いラリーを交わす卓球バトルが魅力の作品でした。

今回紹介する映画

昭和の卓球世界選手権の熱狂!

マーティ・シュプリーム 世界をつかめ

卓球の腕前はピカ一のマーティ。 NYの靴屋で働きながら、世界チャンピオンになって人生一発逆転を目指す。実在の卓球選手マーティ・リーズマンの人生に着想を得て、野心に燃える青年の冒険物語

監督ジョシュ・サフディ
主演 ティモシー・シャラメ
(2度のアカデミー賞主演男優賞にノミネートの実力派)
共演 グウィネス・パルトロウ、オデッサ・アザイオン、川口功人
(日本人卓球選手のエンドウ役には東京2025デフリンピック卓球男子団体で銅メダルを獲得した川口功人(トヨタ自動車)が抜擢)
Amazonで詳細・レビューを見る

ライバル「エンドウ」のモデルは伝説の卓球選手・佐藤博治

劇中でマーティのライバルとして登場する日本人選手「エンドウ」は、実在の卓球選手・佐藤博治(さとう ひろじ)氏がモデルになっています。

佐藤選手は戦後、日本人として初めて世界タイトルを獲得した伝説の選手。世界卓球選手権から帰国した際には、百万人もの人々に出迎えられたと言われています。映画の中のエンドウも、クールで冷静にプレーする姿が本当にかっこいいです。

そして何より注目なのがキャストです。エンドウ役に抜擢されたのは、東京2025デフリンピック卓球男子団体で銅メダルを獲得した川口功人選手(トヨタ自動車)

デフリンピックとは、4年に1度開催される聴覚障害者のための国際総合スポーツ競技大会です。本物のトップアスリートだからこそ醸し出せるフォームの美しさや「クールで冷静」な佇まいが、映画の中の対決シーンを一段と熱いものに仕上げていました。

トップ選手がハリウッド映画に抜擢されただけでも快挙ですが、存在感ある演技とプレーを見せてくれました。

 

劇中では、世界卓球選手権でエンドウに敗北したマーティ(ティモシー・シャラメ)が、「どうしてもエンドウに勝ちたい」と執念を燃やします。ペンの販促試合(卓球ラケットをペンを持つようにグリップを握ることから、広告として試合が行われた)のために来日したマーティは、再びエンドウと対峙することになります。

 

トヨタの公式動画で【特別企画】ティモシー・シャラメ と 川口功人(デフ卓球) がゲーセンでバトル!を公開しています。はじめは「太鼓の達人バトル」ふたりとも上手。続いてUFOキャッチャー、ホッケー、頭文字Dドライブ、と対決していきます。ティモシー・シャラメのノリの良さが光っていて、見ていてとても楽しい内容です。

 

日本人が初めて持ち込んだ「スポンジラケット」の秘密

世界卓球選手権でエンドウに敗北したマーティがエンドウの使用する「ラケット」に言及するシーンがあります実は、卓球ラケットに「スポンジ」を初めて採用したのは日本人でした。1952年の世界選手権で佐藤博治選手が金メダルを獲得できたのも、このスポンジラケットのおかげだと言われています。大昔に再現ドキュメンタリーで観た記憶が薄っすらあったのですが、映画を通じて改めてその歴史を知り、驚かされました。

ミニ情報|国産ラバーのパイオニア

アームストロング アタック8(卓球ラバー)

アームストロングの伝統ある表ラバーをさらに研究した高性能ラバー。通常の表ラバー(粒高1.0mm)より高い1.2mmの粒を採用。相手の強烈なドライブのスピードを殺しつつ、ナックルやプッシュショートなど多彩な攻撃が可能な異質選手用ラバーです。

【アームストロングとは?】
1946年(昭和21年)東京都荒川区にて誕生した国産ラケット・ラバーのパイオニアブランドです。

主人公マーティという男について(ネタバレなし感想)

舞台は1952年のニューヨーク。

主人公マーティ・シュプリームは実力がありながらも、家族から理解されず、国を代表する選手でありながら公的な資金援助もほぼ受けられないという、崖っぷちの状況で卓球にしがみついている選手でした。現在のように企業に属する社会人アスリートという選択肢がない時代背景には同情を覚えます。

ただ、マーティの性格にはかなりの難があります。映画の「ダメ男」キャラクターを好きになるには、どこか憎めない「愛嬌や人間味」が必要だと思うのですが、ティモシー・シャラメ演じるマーティには愛嬌があまり感じられず、好きになれませんでした。彼の卓球愛が、どこか利己的で身勝手に見えてしまったからかもしれません。先ほどのゲームセンター動画で見せたような彼自身の魅力が、作中にも少し感じられたらよかったのに、と思ってしまいました。

とはいえ、シャラメはマーティの青く尖った自己中心的な執着心を実にリアルに演じ切っています。もしかすると、現在本格的に卓球に取り組んでいる方が観れば、彼の激しい情熱や苦悩に強く共感できるのかもしれませんね。

感想まとめ:マーティVSエンドウの白熱試合を楽しんで!

主人公には少し共感しきれない部分もありましたが、試合シーンは文句なしに最高でした!

ぜひ、ハリウッド作品で見事な存在感を見せた川口功人選手の圧倒的なプレイと俳優ぶりをご覧いただきたいと思います。マーティとエンドウの白熱のラリーシーンだけでも視聴する価値が十二分にあります!

 

映画のラストシーンへで流れるのは、80年代のポップス名曲であるTears For Fears(ティアーズ・フォー・フィアーズ)の『Everybody Wants To Rule The World』(ルール・ザ・ワールド)です。 懐かしい。

 

【補足】モデルとなった卓球選手マーティ・リーズマンについて

  • 9歳のときに神経衰弱を経験後、心を落ち着かせるために卓球を始め、13歳で市のジュニアチャンピオンに。

  • 1948年の世界卓球選手権(男子団体・銅メダル)を皮切りに、世界選手権で通算5つの銅メダルを獲得。

  • 1952年インド・ボンベイ大会で優勝候補と目されるも、初戦で日本の佐藤博治選手に敗北。佐藤選手はラバーにスポンジ層を搭載した改良型ラケットを最初に使用した選手の一人だった。

  • 参照リンク Marty Reisman - Wikipedia