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未来を予知するなど不思議な能力をもつ少女。映画『愛と精霊の家』感想レビュー

 

AmazonPrime見放題って、新規入荷しました!って昔の映画が入ってくることがあるんですよね。

それでつい先日追加されたのが、

映画『愛と精霊の家』 (1993年)

 

イザベル・アジェンデのベストセラー小説が原作 

トルエバ家3世代のロマンチックな一大叙事詩である。

 

イザベル・アジェンデのいとこに、チリ大統領、サルバドール・アジェンデ(1970〜1973年)がいまして、

 

チリのサルバドール・アジェンデの人民連合政府が1973年9月11日、ピノチェト将軍を首謀者とする軍事クーデターで崩壊してから、半世紀がたとうとしている。

アメリカ政府および中央情報局(CIA)が全面的にお膳立てをした軍事クーデターで、直後の軍事独裁政権による大量の市民の殺害や拷問、投獄は全世界に計り知れない衝撃を与えた。 

参照記事 米国が支援したチリ・クーデターから50年、いまだ続く大国「介入主義」の源流 | 政策・マーケットラボ | ダイヤモンド・オンライン

 

『愛と精霊の家』はイザベル・アジェンデの一族の半生がモチーフになっているものだから、ベストセラーになるのもわかるな。

軍事クーデターの影響で、彼女はベネズエラに亡命しなければならず、そこで書いたのが小説『愛と精霊の家』です。

 

 

で、真面目な映画だと思うじゃ無いですか。

なんと、びっくり!

少女・クララは「未来を予知するなど不思議な能力の持ち主」 なんです。

超能力も使える。

でも誰も驚いたりしない。

誰もがクララの能力を認めてる。

シュール!

チリって神秘的なことが受け入れられてる国なの?

クララの地味な超能力の演出にジワりました。

 

そんなクララ(成人)を演じるのは、メリル・ストリープ!!

クララの娘・ブランカに、ウィノナ・ライダー

クララの夫に、ジェレミー・アイアンズ

ブランカの恋人に、アントニオ・バンデラス

 

思いがけず、豪華な俳優が続々と登場。

『愛と精霊の家』は1928年から1973年あたりまで描かれ、

メリル・ストリープが結婚、出産、おばあちゃんになるまで演技しててすごい!

おばあちゃんに見える!

ジェレミー・アイアンズも、イモ青年から洗練されたおじいちゃんになるまでの成り上がりを演じてて素晴らしい。

 

そして、クララの夫の婚外子の息子が、

農場を出て士官学校に行き兵士となるんですが、

えらく垢抜けたなーって思ったら、

ヴィンセント・ギャロ 

まじか!

ヴィンセント・ギャロ と言えば『バッファロー'66』(1998年)

 

軍服の着こなしがファッションモデルなのよ。

 

 

映画『愛と精霊の家』は構図がすごく良くて、

ライティングにもこだわりが見られて、

ルネサンス絵画みたいな美しい場面もあり、

おとぎ話のような演出もあり、

時代的に残酷な場面もあるけれど、芸術性の高い映画でした。

1993年の映画ですが、古さは感じませんでした。

 

監督はビレ・アウグスト

ストックホルムで写真教育を受けた後、コペンハーゲンの映画学校に入学し映画製作を学んだとのことで、なるほど構図の良さやライティングのこだわりは、写真の基礎がしっかりしてるからかな。

ビレ・アウグスト監督はデンマーク出身で、おとぎ話や幽霊も信じられている国だからでしょうか、ハリウッド映画とは違ったアプローチで、日本人に馴染みやすい内容だったように思います。

制作国もドイツ・デンマークポルトガルで、内容が内容だけにハリウッドでは難しかったのでしょうが、よくこの俳優で製作できたなと思う映画でした。

実話を脚色したにはファンタジーすぎますが、映画としてはよくできていたと思います。

スティーブン・キングの小説が原作と言われたら、あっさり信じるかもしれない。

 

なんとなく選んだ映画だったので「あたり」感が大きかったです。

おすすめの映画です。