阿部寛主演・映画『異動辞令は音楽隊!』がAmazonPrimeVideo見放題がスタートしました。
映画『異動辞令は音楽隊!』あらすじ
30年間犯罪捜査ひと筋、「足を使え」が口癖のゴリゴリ昭和気質の刑事・成瀬司(阿部寛) 55歳。
違法すれすれの捜査や組織を乱す個人プレイ。
上層部への反発や部下への高圧的なふるまいの数々。
ある日、パワハラの告発を受け捜査の最前線から、これまで存在すら知らなかった広報課警察音楽隊への異動を命ぜられる。
社会のため組織のため家族のためと一心不乱に働いてきたのに、気づけば組織からは時代遅れとはみ出してしまい、家族はバラバラ。
異動先にも当然なじめず、人間関係にも、音楽隊の演奏にも、不協和音が鳴り響いてーー。
映画『異動辞令は音楽隊!』感想レビュー
「今の警察は馬鹿ばっかだな」成瀬司は呟く。
成瀬はただ一心不乱に働いているのですが、
同僚は、自分勝手な行動する成瀬を煙たがっています。
若い頃は、成瀬みたいな先輩刑事で溢れていたと思うんですよね。
ハラスメントな指導が当たり前の時代だっただろうし、強引なやり方で検挙してきた実績もある。
それだけに「このやり方が正しい」と思い込んでいたフシがあって、そんな自分の価値観を否定されることは、なかなか受け入れにくいものです。
捜査本部から外され、
「お前はもう刑事じゃ無い。部外者の意見はいらん」
はっきり言われてようやく成瀬の中で何かが変わっていくのが見てとれます。
成瀬も刑事として働き続けたかったら、最低限の対応は必要だったのでしょう。
かばってくれる同僚がひとりもいない状況にまで頑なに、従来の価値観で仕事を続けてしまいました。
成瀬が捜査に熱心になればなるほど空回りしていくのが虚しい。
捜査の熱意だけは本当にすごいのよ。
「取り調べ」で暴力をするな!と言われて嘆いていたことがありました。
そんな生ぬるい取り調べで、誰が口を割るんだと。
音楽隊に次第に向き合っていく成瀬ですが、音楽隊の同僚に、
「少しはチームワークを重んじたらどうなんだ」
えぇー!
あなたがそれを言うの!?という変わりよう。
でも、変われるんだ。
成瀬でも変われるんだ。
結果的に音楽隊の移動は、成瀬の人生を豊かに変えてくれたと思います。
成瀬が辞職を考えなかったことは意外だったけど、
「試験にやっと合格して刑事になった」
という母親の言葉や、音楽隊に移動になった後も担当していた事件に注視している様子を見てわかった気がしました。
結局は成瀬の残した手がかりが重要なカギになるわけで、
やはりそんな人を刑事から移動させたら駄目じゃーん!と、
思わなくもないですが、
警察の定年は60歳(近年65歳にまで伸びる)で、成瀬の年齢は55歳だから、近く去ることにはなるわけで、代わりに相棒をしていた部下が成瀬の技術を受け継いだことがわかり、成瀬が残したものがちゃんとあったのだと救われた気持ちになりました。
成瀬のファッションが好きでした。
おっさんが着そうなファッションでありながら、
ダサかっこいい!!
衣装担当は川本誠子。
太鼓を身につけた格好は、食い倒れ人形を意識してたと思います。
ツボでした。