漫画「一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる」(感想レビュー)
貧しく不幸な人々に寄り添い、身を粉にして働く頼もしい赤ひげ先生。
原作は山本周五郎の小説『赤ひげ診療譚』で、江戸中期に貧民救済施設で活躍した小川笙船(おがわしょうせん)がモデルと言われています。
漫画「一瞬で治療していたのに役立たずと追放された天才治癒師、闇ヒーラーとして楽しく生きる」も赤ひげ先生のように貧民街でリザードマン、ワーウルフ、オークなどの亜人治療をはじめ、人生を再スタートする天才治癒師が描かれます。
貧民街で拾ってくれたアストンのため懸命に働いてきた治癒師ゼノスでしたが、
「お前は用済みだ」
パーティー「黄金の不死鳥」から解雇されます。
貴族からの依頼を受けるのに貧民街出身の在籍は心象が悪いとアストンは考えたのでした。
しかし、ゼノスは治癒魔法だけでなく、防護魔法で怪我をしにくい体にしたり、能力強化魔法を使ってパーティーの戦闘力を高めていたのです。
貧民街出身はギルド登録も治癒師のライセンスも手に入らないため、ゼノンは闇ヒーラー治療院をはじめます。
能力があっても身分により差別されてしまう世界。
ゼノンはこの先も闇ヒーラーのままなのでしょうか?
2巻、アストンのパーティー「黄金の不死鳥」は最上位のブラッククラスの冒険者を目指して貴族の直々の依頼、ファイアフォックスの討伐に挑戦するも、、、。
ゼノスを再びパーティーに加入させようと考えたゼノスは貧民街を訪れます。
貧民街で慕われるようになったゼノス。
タイトル通り闇ヒーラーとして楽しく生きていて、解雇されてよかったじゃん!という結果を出せました。
ゼノスがこんなに慕われるわけがない、現実を受け入れられないアストンの人生は転落していきます、、、
アストンは依頼者から、
討伐失敗だけが怒りの原因ではなく、無理だと思ったら早めに連絡することができたでしょう、
と言われる場面、現代社会の仕事と同じ。
報告・連絡・相談、いわゆるホウレンソウがアストンには欠けていたのです。
もしも早めに連絡していたら、依頼主は依頼内容を変更してくれてアストンはリカバーできたかもしれませんし、次のチャンスも与えてもらえたかもしれません。
依頼者から正論を言われる場面が妙にツボでした。
3巻は温泉回。
温泉郷フラムを訪れたゼノスは、ケガした宿屋の主人を治療しますが、王立治療院に勤める・ウミンがそれを目撃。
噂に聞いた、闇に紛れた特級レベルの天才治癒師は本当に存在するんだ!
ウミンは上司の特級治療師、エルナルド・ベッカーに報告します。
ベッカーは王立治療院に特別研修生として潜入し捜査するよう依頼します。
ゼノスの羽織っているコートが、元師匠のものだとわかりました。
元師匠はいったい何者なのか?
今後、明らかになりそうで楽しみです。
ゼノスの快進撃はまだまだ続きます。