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映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス(John Wick: Chapter 4)』(感想レビュー)おすすめ映画

 

 

キアヌ・リーブス主演の映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス(John Wick: Chapter 4)』をNetflixで見ました。

「大阪コンチネンタル・ホテル」が登場し、日本が舞台になることや支配人を真田広之が演じることでも話題になっていましたが、どちらかというとパリが中心です。

ドニー・イェン、ビル・スカルスガルドが出演。 

 

 

映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス(John Wick: Chapter 4)』(感想レビュー)

 

ジョン・ウィックには厨二病の男子が憧れるような世界が詰まっています。

片手に日本刀、もう片手に銃を持って戦ったり。

そんな戦い方できるの?など疑問は置いといて、かっこいい!って楽しんで見るのがおすすめです。

それに真田広之ドニー・イェンが戦うなんて!

しかも、ドニー・イェンは盲目の設定で、もはや座頭市ですよ。

 

 【本編映像】大阪で激突!真田広之 vs ドニー・イェン!『ジョン・ウィック:コンセクエンス』

 

 

監督のチャド・スタエルスキは1994年の『クロウ/飛翔伝説』で、ブランドン・リーが撮影中に事故死した際、その後の撮影でリーの代役を務めた人で、あー!あの人ね!と思う人もいることでしょう。

 2014年、キアヌ・リーブス主演の『ジョン・ウィック』で映画監督デビューを果たし、俳優・スタントマン・映画スタッフ・映画監督という肩書きを持ちます。

 

ジョン・ウィック:コンセクエンス』にはジャッキー映画をはじめゲームやアニメなどさまざまな影響が多く見られるのは、監督がそうした知識が豊富なのでしょう。

オタク、だと思います。

詰め込みすぎじゃないか!?と思うほどネタが仕込まれています。

元ネタを知らなくても楽しめる映画ではありますが、元ネタを知っていると、より楽しめる映画です。

 

例えば、ジャッキー・チェンの『少林寺木人拳

これを取り入れるなんて、なっ、なんてセンスなんだ!!

 

いや、まじですごい。

などと感心してしまうわけですが、知らない人はこういう驚きがないわけですよ。

オマージュを楽しめない人にとっては上映時間2時間49分は「長い」と感じやすいでしょう。

映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の評価のわかれ目はその辺りではないかな。

 

 2017年、映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』で、ペニーワイズを熱演した、ビル・スカルスガルドがフランス、パリに拠点を置く主席連合のメンバー、グラモン侯爵を演じています。

192cmの長身にラメ入りスーツがよく似合っています。

場面が変わるたびに、異なるスーツを着用して貴族らしい演出が面白い。

グラモン侯爵の過ごし方は驚くほど豪華です。

例えば、ルーヴル美術館を貸切りにするだけでなく専用のソファを持ち込みして、ドラクロワの傑作のひとつ「民衆を導く自由の女神」 を鑑賞しています。

普通の人には無理でしょう。

グラモン侯爵が底知れぬ影響力の持ち主であることがうかがえます。

敵なんだけど、こういう個性的なキャラクター好き!

 

民衆を導く自由の女神」は1830年ランス7月革命を描いています。

グラモン侯爵の行末を暗示しているかのようです。

 

グラモン侯爵のスプーンをくわえるような仕草は『ジョーブラックをよろしく』を参考にしているかもしれません。

悪魔がピーナッツバターを美味しいとスプーンでしゃぶっているんだけど、グラモン侯爵の邪悪さや失礼さをユーモラスに表現していたのかもしれないと感じました。

 

映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』はパリの凱旋門でカーアクションします。

 1971年式のプリムス・バラクーダジョン・ウィックが乗りまわします。

パリの殺し屋が乗っていたものですが、なんてオシャレな!

その殺し屋は車にお金をかけるタイプの相当儲かっている人だったんでしょうね。

ちなみに映画『ジョン・ウィック』に登場した1970年型のシェビー・シェベルSSのプラモデルが2024年5月に発売されます。 

 

カーアクションにもジャッキー映画で見られた手法が取り入れられいることがわかります。

殺し屋が襲ってきては次々散っていくさまは、まるでゲームの実況中継のよう。

ジョン・ウィックがどう攻略していくのか。

それを見守る映画でもあります。

 

「大阪コンチネンタル・ホテル」は大阪・梅田にあり、外国人が思い描く日本が表現されているのが愉快です。

桜の木が満開で、季節は春なの?という以前に、そんなところに咲いてないだろう。

また梅田といえば、ヨドバシカメラの丸みを帯びたビルが建っていて、どうやらそれをモチーフにした景色がホテルの屋上らしきバーから見えるのも面白いです。

そしてビルのネオンに「牧野」という文字が浮かんでいます。

え?そこは梅田では?牧野は京阪電車の駅名と思われます。

映画には大阪府出身の川本耕史が 「大阪コンチネンタル・ホテル」の格闘シーンのファイトコレオグラファーを務めていて、もしかすると牧野と縁がある人なのかもしれないと思いました。

川本耕史は「龍が如く」シリーズなどのゲームや、CG映画のモーションキャプチャーも多く担当しています。

 

好きだった場面はいっぱいあるけど、強いてあげるならサクレ・クール寺院の階段シーンは圧巻です。

この場面について監督は、

 

監督は「ギリシャ神話に登場する、シーシュポスというキャラクターを反映しています」と明かす。 

参照リンク 『ジョン・ウィック4』シネマトゥデイ(ネタバレ記事に注意)

 

シーシュポスは神を欺いたことで、神々の怒りを買ってしまい、大きな岩を山頂に押して運ぶという罰を受けてしまうお話です。

シーシュポスの神話は、アルベール・カミュの随筆に書かれ、その哲学な内容に愛読者も多いです。

カミュ・57年ノーベル文学賞受賞 

 

シーシュポスの神話をヒントにサクレ・クール寺院の階段シーンを見ていただければ、監督のユーモア溢れる演出のなかにジョン・ウィックの生き様が集約されていると感じることでしょう。

驚くことにこの映画が公開される少し前、コンシェルジュ役で知られるランス・レディックが虚血性心疾患とアテローム性冠動脈疾患で急死されました。60歳でした。

ランス・レディックは独特の存在感があり、唯一無二の俳優で映画『ジョン・ウィック』で重要な役割を担っていました。

彼は撮影後に亡くなったわけですが、スタエルスキ監督は54歳、キアヌ・リーブス58歳で年が近く、周囲で病気したり亡くなったりする人も出てくる年齢ですし、コロナや戦争、災害で多くの人が亡くなる人のニュースを聞くことが続きました。

宮崎駿監督が吉野源三郎君たちはどう生きるか』をベースに映画化したように、スタエルスキ監督も生きることについて思うところがあったのかもしれません。

 

サクレ・クール寺院(モンマルトルの丘)からはパリの街が一望できます。

パリに行ってサクレ・クール寺院(モンマルトルの丘)からの景色を見ないものはバカ者だ!という言葉があるほど(と言っても、肯定する記述が見つかりませんでしたが確かそう言われてるほどの景色で有名なはず)で、ジョン・ウィックはその風景に何を思うのか、映画をご覧になってみてください。

 

フランスに行ったら『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の聖地巡礼もいいですね。

たくさんパリの名所が登場します。

階段は「モーリスユトリロ通り」と呼ばれている場所のようです。

画家のモーリス・ユトリロにちなんで名付けられています。

 

映画『ジョーカー』と言い、階段の名所が増えてきているような(^^;)

 

映画よかったです。

おすすめです。

エンドロールの最後1分で映像がでてくるのでお見逃しなく。