29年間連れ添った夫から突然の離婚宣言!
映画『幸せの答え合わせ』を見ました。
ウィリアム・ニコルソン監督・脚本の両親との実体験を描いた自伝的作品です。
ウィリアム・ニコルソン監督は『グラディエーター』や『エリザベス:ゴールデン・エイジ』、『レ・ミゼラブル』などの脚本を執筆したことで有名で、2015年、大英帝国勲章 (OBE) を授与されています。
昨日に紹介したドラマの衣装デザイナー、スザンヌ・ケイヴが携わった作品ということも興味を惹かれました。
映画『幸せの答え合わせ』(感想レビュー)
グレイスはこの結婚生活が続くものだと思っていました。
エドワードは他に女ができて家を出たけれど、それでもグレイスは結婚生活を続けたいと望んでいます。
けれども息子に向かって「弱虫なところは父親譲りね」など言って、夫のことを貶してばかり。
どうして、それでも夫婦として結婚生活を続けたいと言うのか?
弁護士を交えて夫と会ったグレイスは悪態をつきます。
「家を出て行かれて腹が立ってるのよ!」
散々、悪態をついた後で「愛してるのよ」
えー!
エドワードはグレイスの強気な性格がチャーミングだと思っていた時期もあったようですが、加齢に従い度を越すようになり、
「変わってしまった」嘆くように言います。
性格の不一致というのは、こういうことかもしれないと思いました。
エドワードは残りの人生を、安らぎを与えてくれる女性と過ごしたくなったようです。
他に女をつくったところはどうかと思うけど、齢70歳を超えた監督がこの映画で伝えたいことがなんとなくわかるからその辺は目を瞑ります。
思えば、熟年離婚とまではいかなくても別居生活してる夫婦は多いような気がします。
夫が故郷の実家に住み、ときどき妻のいる自宅に帰省するパターンを耳にするからです。
仲が悪いからそうしているのか、仲は悪くないけれどそうしているのか、
ちょっとわからないけれど、夫婦それぞれの事情があるのでしょう。
まめきちまめこの日常のブログで、「父と母、気づいたら別々に暮らしとった」(2023年8月6日)というカミングアウトがあり、母親が言うには「気が合わず、お互いにひとりで住んだほうが快適」とありました。
グレイスは悲しいけれど、現実を受け入れようと努力します。
幸いだったのは、優しく見守ってくれる息子・ジョシュがいることで、立ち直る母親を支えています。
ジョシュは監督自身を描いていると思います。
ジョシュも両親の離婚を通して彼自身の問題に直面します。
インパクトは無い映画ですが、悲しみをそっと包み込もうとする優しさを感じる映画でした。
イギリス南部の海辺の小さな町シーフォードの「ホープ・ギャップ」と呼ばれる巨大な崖の景色が素晴らしいです。
同じ場所が探せませんでしが、イギリスのシーフォードの「The William Charles Campbell Monument」を見ていただければその美しさがわかっていただけると思います。
近くの「Seven Sisters Cliffs」は映画で歩いてる場所かも。
ロンドンから電車で1時間半で行けるそう。
ちょっと見て見たい。
衣装デザイナー、スザンヌ・ケイヴの選んだファッションは、
夫は高校教師らしいシンプルなスタイルで、イギリス人らしさがあります。
妻はバイタリティあふれる彼女の性格らしいごちゃごちゃした華やかさもありつつ、田舎町に暮らす主婦らしいや落ち着いた色味で、なかなか絶妙なファッションでした。
映画『幸せの答え合わせ』あらすじ
結婚29周年を迎える夫婦。
妻グレイス(アネット・ベニング)は「どうする?ディナーでも?」
「君が望むなら」そっけない夫エドワード(ビル・ナイ)に憤慨する妻。
こうした夫婦のやり取りに辟易としたエドワードは帰省した息子ジョシュ(ジェイミー・アクストン)に、家を出るからお母さんを頼む、とお願いする。
息子が問い詰めるとエドワードには好きな人ができていた。
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本ページの情報は2023年10月時点のものです。
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参考記事 映画『幸せの答え合わせ』【監督インタビュー】親が子供たちに知らずに背負わせているもの - otocoto | こだわりの映画エンタメサイト