映画『テーラー人生の仕立て屋』をAmazonPrimeVideoの見放題で見ました。
後援は在日ギリシャ大使館。
”限られた言葉で多くを語る。 「テーラー 人生の仕立て屋」は、 まるで俳句のような世界観で描かれる素晴らしい作品です”
とコメントしています。
ちなみに、コンスタンティン・カキュシス氏は2021年12月末にアテネに帰国されました。
日本には3年と数ヶ月滞在しましたが、新型コロナウィルス感染拡大を含むいくつかの困難な時期に直面し、両国の関係強化に力を注げなかったことでイライラされたようです。(参照記事 コンスタンティン・カキュシス駐日ギリシャ大使にインタビュー - HERSEY MAGAZINE)
そんな中で、映画『テーラー人生の仕立て屋』はギリシャを日本で感じてもらえる映画として後押しをされたのでしょう。
映画『テーラー人生の仕立て屋』あらすじ
1961年創業のスーツの仕立て屋さん
父と息子のニコスとふたりで営んでいるが、ローンの返済が滞り店の継続が困難になる
少しでもスーツを売るために、路面屋台でスーツ売ってみることに。
ある日、「あなたウェディングドレス作れる?」
ニコスは生活のためにウェディングドレスの注文を引き受ける。
映画『テーラー人生の仕立て屋』(感想レビュー)
仕立て職人のニコスの日常着はスリー・ピース・スーツ。
風変わりなおじさんだが、スーツを着て黙っていれば渋くてカッコイイ。
良質なスーツは人をかっこよく見せてくれる。
身なりって大事だと思わせてくれる。
ニコスのお父さんのスーツ姿が、これまた洒落ている。
ポケットチーフを挿す姿もサマになる。
ポケットチーフなんて結婚式くらいじゃない?
お友達のおじいちゃん連中のスーツもかっこいい。
「スーツを新調して再婚する気かよ」なんてジョークもお洒落。
おじいちゃんのスーツ姿をもっと見たいぞ!
ニコスより、お父さんの昔話を深掘りしてくれ!
そう思うほど、お父さんのスーツが洒落ている。
昔はどんなスーツを作っていたのだろう。
ギリシャといえば、2005年、 ヒルトン・ホテル・グループの令嬢パリス・ヒルトン(24)が、ギリシャ海運王の御曹司パリス・ラティス(26)との婚約を解消したことが話題になった。
ギリシャ海運王がいるんだ!当時、そう思った。
ラティス家は2007年度世界長者番付で55位になるほどの大資産家。
そんな人がいるギリシャなら、オーダーメイドスーツも過去はさぞ華やかな時代があったと想像してしまう。
お父さんとニコスがビシッと決まったスーツ姿で歩いている。
しかし、向かった先で、ローンの返済が滞っているのでお店が差し押さえられると宣告され、本人達の見た目からは想像できない窮地がユーモアを誘う。
ニコスはウェディングドレスの受注を受けるのだが、
じゃあ新郎のスーツは作らないのか?と不思議に思った。
アテネの結婚式事情がわからないが、結婚を期にスーツを新調する、という流れになってもおかしくないのではないか。
ニコスがスーツを作らないのが残念で仕方ない。
映画タイトルの「人生の仕立て屋」に、ニコスよ、まず自分の人生の仕立て屋になれ、と思った。