「面白い」と噂には聞いていた、アニメ『ヒナまつり』を見ました。
あらすじ
インテリヤクザ・新田義史の前に、突然常識知らずの超能力少女・ヒナが現れ、新田は脅されるようにしてヒナと共に暮らしはじめるが、段々と打ち解けていく。
ヒナの希望で、新田の娘として中学校へ通いだす。
アニメでは中学までなんですが、原作ではヒナが10巻で高校生になっています。
◆『ヒナまつり』(感想レビュー)
ヒナまつりが雛祭りと関係しているのかと思えば、まったく無し。
強いて言えば、ヒナの周囲がお祭り騒ぎになる感じ?
ターミネーターのごとく未来からやってきた(と思われる)ヒナに、周囲の人々が巻き込まれていく様子がカオスに描かれます。
ヒナが通う中学校の同級生三嶋瞳。
断れない性格で、尚且つ何をやらせても優秀な器量の良さが災いし、中学生にもかかわらずバー「Little Song」で深夜、バーテンダーとして働くことに。
ツッコミどころ満載な流れが面白いです。
ヒナを「処分」するために組織から派遣された少女・アンズ。
転送装置※が故障して帰れなくなったため、ホームレス生活を送ることに。
アンズは1日の缶拾いで約6百円の収入に対し、バーテンダーの瞳は時給1500円。
シュールでダークな笑いを繰り広げつつ、社会に物申す感じが中毒性たっぷりです。
アンズが中古テレビが高く買い取ってもらえると知り、瞳とヒナに落ちてる中古テレビを探す手伝いをしてもらう話では、本末転倒というか、目的がズレているというか、でも周囲の反応がこういうことってあるよなー、という社会の縮図が描かれているところもあって、これが親切心でやってるところが本当にシュールで、笑えるような笑えないような、なんとも言えない世界観がカオスです。
※転送装置はなぜか顔が丸出しになるタイプで湯たんぽみたいなカタチです。
作者の大武政夫氏の情報が無いんですが、
ジャッキー、ブルースリー世代っぽい、
スクール・ウォーズを見てたっぽい、
楳図かずおのような驚きの描写、
映画「キャスト・アウェイ」が好きっぽい、
そんなネタがてんこ盛り。
元ネタがわかると、もっとクスクス笑えると思います。
映画「キャスト・アウェイ」のウィルソンは有名ですよね。
海外でパロディに使われることはよくあるけど、漫画でウィルソンを持ってくる渋さ。
大武政夫氏は40~50代とみたけど、どうでしょう。
新田の壺コレクターの趣味が渋すぎで、昭和の金持ちイメージなところも笑えます。
機動戦士ガンダムのマ・クベ大佐が壺を愛でる場面からきてるのかな。
何のことかわからない人は、AmazonPrimeで『機動戦士ガンダム』が見れます。
37話でマ・クベ大佐が壺を抱えながら戦艦の席に座ってて、どんだけ壺が好きなんだ!というさりげない描写がありますし「あの壺をキシリア様に届けてくれよ。あれはいいものだ!」と名台詞を残すほど壺愛がすごいんです。
ちなみに、機動戦士ガンダムを別角度から新たに描いた『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』で、キシリア様の部屋にマ・クベ大佐の壺らしきものが置いてあります。
ちゃんと届けたんだ(笑)