あるかしら書店・ヨシタケシンスケ(読書感想レビュー)
ヨシタケシンスケさんの絵本「もうぬげない」をタイトルに惹かれて読んだことがあります。
服が「もうぬげないかも!」と焦った記憶もあって、ヒヤヒヤしてベストセラーなのもわかる絵本でした。
そんなヨシタケシンスケさんの『あるかしら書店』も子供向けの絵本ですが、
大人が読んでも面白い!と絶賛している人が多かったので読んでみました。
こんな本はありませんか?とお客さんがやってきて、店主が「ありますよ」と本をすすめてくれるお話です。
読んでるうちに、子供の頃はこういう想像ををめぐらせたことがあったなぁ、と懐かしい記憶が甦りましたが、ふと、『あるかしら書店』に行って本をすすめてもらう、という接客スタイルを見て、そうやって本を買ったことってないなぁと思いました。
実際に手に取って最初だけ見て判断したり、Amazonで読んだ人のレビューを読んだり。
本屋さんにわざわざ行って買うのは、店員さんの手助けが欲しいとか、ラッピングして欲しいとか、本を買う行為以外の付加価値が今は必要な気がします。
すごく昔に、大型書店でポップに力をいれてる店員さんがいて、段々と「この人が勧めるなら買ってみるか」というくらい信頼したことがありました。
その店員さんのすすめる本は、ポップにあるように本当にどれも面白くハズレが無い。
でもある日、突然にポップが姿を消し、あからさまにその店員さんがいなくなったことがわかりました。
ポップだけでなく、本の売り場の配列や、細かい部分まで配慮が行き届いてると感じていた店内は、その店員さんがいなくなってから、売り場は適当で、コミックのシュリンクがきつく巻かれるようになり本も歪んでいて、買う気が失せてしばらくその書店に近づかなかったことがあります。
『あるかしら書店』くらいのこじんまりした個人の本屋さんで、お客さんとのコミュニケーションを大事にしているような本屋さんがあれば、かえってちょっと訪問したくなるんじゃないかなと思います。
実際、こじんまりとした本屋さんが増えてます。
マンションの一室を土日だけ開けてる本屋さんとか。
そういうお店のスタイルにちょっと憧れます。
特殊な本屋と言えば、連想するのが映画『ノッティングヒルの恋人』の、主人公のウィリアム・タッカー(ヒュー・グラント)が営む旅行書専門の書店。
今どきそんな本屋さん流行らないよ!と思うのですが、世界一有名なスター女優アナ・スコット(ジュリア・ロバーツ)がぶらりと店を訪れるのが面白いなと思います。