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お笑いコンビ「ピース」又吉直樹 初めて書いた本格小説『火花』 を読んでみた(感想)


文學界』の増刷や、芥川賞の選考にもなって何かと話題になっている火花を読みました。

又吉直樹さんの本は前にいくつか読んでいましたが、独自の着眼点が理解できるようで、理解できないような、トークやネタとして披露してもらったら笑えたり、共感できるけど、文章で読んでみるとちょっと難しいなぁ、というのが正直な感想でした。


火花
売れない芸人の徳永は、熱海の花火大会で、先輩芸人である神谷と電撃的に出会い、「弟子にして下さい」と申し出た。神谷は天才肌でまた人間味が豊かな人物。「いいよ」という答えの条件は「俺の伝記を書く」こと。神谷も徳永に心を開き、2人は頻繁に会って、神谷は徳永に笑いの哲学を伝授しようとする。吉祥寺の街を歩きまわる2人はさまざまな人間と触れ合うのだったが、やがて2人の歩む道は異なっていく。徳永は少しずつ売れていき、神谷は少しずつ損なわれていくのだった。お笑いの世界の周辺で生きる女性たちや、芸人の世界の厳しさも描きながら、驚くべきストーリー展開を見せる。

まず火花を読み始めてみると「お笑いの人が交わす会話」のやりとりのテンポがどうも掴めず、何がふたりの間で面白いのか最初はわかりませんでした。

一度読んでみて、最後で「こういうことを考える人だったんだ」と人物像がわかったので、もう一度読み返したら、最初よりはスムーズに読めたと思います。

お笑いがわからないと「?」って思うこともあるような気もします。

例えば「それ言いたいだけやん!」という件は、お笑いを見て無かったら、どういうことなのかイマイチ理解しにくいんじゃないかな。


それにしても又吉直樹さんは、お笑いが本当に好きなんだなぁ、と感じましたし、真摯にお笑いと向き合ってるんだな、と改めて思いました。

小説のストーリーよりも、端々に感じる又吉直樹さんのそういう姿勢が心を打つところがあるように思います。