海外医療ドラマ『グッドドクター シーズン5』感想レビュー
海外医療ドラマ『グッドドクター シーズン5』をU-NEXT(映画観るなら<U-NEXT> )で見ました。
病院が買収されることになり新しい経営者セイレンが就任します。
セイレンは注意欠陥多動症(ADHD)があり、アスペルガー症候群と言われるイーロン・マスク氏のような才能ある経営者です。
患者に先生の好感度を評価させる機械を導入、
患者の治療方法には保険とのバランスを考え利益率も考慮するように指導、
効率化を目指していきます。
2022年経営破綻した大阪市福島区の医療法人「友愛会」(民事再生手続き中)の例もありますから、アメリカと仕組みは違えど、経営と治療のバランスは日本の病院にとっても課題と言えそうです。
海外医療ドラマ『グッドドクター シーズン5』感想レビュー
天才的な能力を持つ自閉スペクトラム症(ASD)の外科医・ショーンは、
コミュニケーション能力に欠けています。
シーズン毎に改善が見えていますが、まだまだ患者の好感度は低いままで、そこに患者の評価機械の導入です。
ショーンは前向きにとらえ、努力を惜しみません。
ショーン通じて見た経営者セイレンの方針は悪い面ばかりでは無いように思えます。
客観的に生きることで幸福は獲得できる、ラッセルの幸福論ような哲学を感じました。
が、第7話にありえないミスがきっかけでショーンの感情が爆発していまいます。
それは改革の影響から起きた不備でした。
問題の責任をとらされた従業員がいいます。
「あなたにも経験があるはずだ。
間違っていると知りながら妥協する」
経営者セイレンの方針は、患者の利益よりも病院の利益を優先させるものです。
違法ではありません。
しかし、医師の信念を曲げなければならないこともあり、かといってセイレンに逆らえばキャリアを失いかねない。
医師達はそれぞれの事情や考えに基づいて行動します。
ショーンはあと1年働けばどこの病院でも働けるキャリアが得られます。
それまで我慢して1年働くように周囲は説得しますが、
妥協して生きていく、それでいいのか?
人の命にも関わってくる仕事なのにそれでいいはずないよね!?
『グッドドクター シーズン5』は生き方について問う内容だったと思います。
『君たちはどう生きるか』って感じ。
妥協せず生きるのは実際には難しい場面もあるだけに、キャラクターがどう行動するかは興味深かったです。
交渉材料になる、とっておきの切り札が必要なのはいかにもアメリカのドラマらしい展開。
主張するだけではどうにもならない。
ほとんどの人が戦うことは避けるでしょうが、それを妥協とは私は思いません。
ひとつの選択肢だと思います。
カフェの店長になって2年目のすーちゃん36歳は、仕事を頑張っても超えられない壁にぶちあたり、あえて避けますが、レビューでは賛否両論でした。
生き方について考えるとき、思い浮かぶ人物がいます。
杉原千畝(すぎはらちうね)
東洋のシンドラーのリストと言われる人物です。
第二次世界大戦中、資格を持たないユダヤ人へのビザ発給の許可を日本は許可していませんでした。
しかし人の命にかかわることです。
杉原は独自の判断で発給を続け、多くの命を救いました。
その勇気と人道性は世界から高い評価を受けていますが、杉原は帰国後、失職!
中傷する手紙が自宅に届くなど、昭和の個人情報だだ漏れ時代。
誹謗中傷も多かったと想像されますし、就職も困難だったようです。
2000年に河野洋平外務大臣による名誉回復がされましたが、もしも杉原千畝が外務省であのまま活躍していたならと思うと残念です。
杉原千畝は多くの命を救ったのに、帰国後は長い間、ふんだりけったりじゃん、と思うけれど、
『グッドドクター シーズン5』で問題の責任をとらされた従業員に、リム先生が退職を撤回して一緒に戦うように説得する場面があります。
「誰だって妥協する。
だけど今回は別だってわかってるはずよ。
あなたには良心がある。
我が子のために正しいことをすべきよ。
辞めた理由を聞かれたらなんて答えるの?
真実を話す?
それとも子供に嘘をつくの?」
杉原千畝は、子供に恥じるような行為はしなかったんだな、と思ったのでした。
本ページの情報は2023年9月時点のものです。
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