Netflixで『ウェンズデー』の配信がはじまりました。
ティム・バートン監督による『アダムス・ファミリー』のキャラクター、ウェンズデー・アダムスを主役にしたスピンオフです。
あらすじ
5年間で8回転校しているウェンズデー。
弟をいじめた相手を半殺しにしたため、高校をまた退学になった。
両親のゴメスとモーティシアがかつて通っていた「異常な才能を持つ子どもたち」を育成しているネヴァーモア・アカデミーに入学させられる。
映画『アダムス・ファミリー』を見てなくても楽しめますが、
罵りの言葉に愛情を感じるなど、ファミリー独特の価値観を理解するには見たほうが理解しやすいと思いますが古いからなぁ。
Netflix『ウェンズデー』(感想レビュー)
出だしから最高です。
ポップで明るい80年代の青春映画に出てくるようなアメリカンハイスクール、そこへ登場する場違いなウェンズデー。
素晴らしい演出ばかりで、ビジュアル的にも見てて飽きない。
芸術点が高いです。
さすがティム・バートン監督。
弟をいじめた相手を半殺しにするウェンズデー。
彼女なりの正義感が見えます。
暴力を暴力で返してはいけない、という世の中の風潮があって現実社会では出来ないけれど、弟がやられてやりかえすウェンズデーというファンタジーは、やっぱり見てて心が軽くなるわけで。
映画っていうのは、ときには現実ではできないことを代わりにやってくれて、それを見てスッキリすることもできます。
でもウェンズデーはただ暴力を暴力で返したという表現ではなく、
いじめっ子のような悪の遺伝子は断ち切るべき、という考えであの行動に及んでいます。
そこは結構、重要なポイントだとは思う。
しかし、高校を退学になったのはいじめっ子では無くウェンズデー。
そして新たに入学させられたアカデミーは、ファンタジーなので人間界に溶け込めないヴァンパイアや人狼などがいるわけですが、要するに問題を抱えた子供が通う学校です。
学園ものと思いきや、
ホラーミステリーでシャーロック・ホームズ的な謎解きもあって面白いです。
頭脳明晰なウェンズデーが調査し謎を解いていきます。
ホラーなんだけど、ティム・バートン監督とあって、どこかキモ可愛い。
大人のグリム童話のような演出で、リアルな描写もあるけど怖くはない。
アメリカの文化(ダンスパーティー、ボート競走)なども描かれていて楽しい。
文化の予備知識が無いと若者のやりとりの感情が理解しにくいかもしれない。
ネヴァーモア・アカデミーの子供たちにも人間の子供と同じように抱えている問題があり、なかでも驚いたのが、宗教ニ世も描かれていたことでした。
親が宗教にどっぷりハマっていて、子供を利用しようとする。
毒親。
そんな悩まされている子供たちも描かれていて、この映画が単なるファンタジーの娯楽映画ではなく、苦境に立たされている子供(大人)の心にも届くように制作されていることが伺えました。
人種もさまざまで、一瞬しか映らない学校のパーティー料理は多国籍。
寿司も発見!
とても細やかな演出が端々に見られ、現代に求められている要素を自然に見えるよう取り込み、お見事!としか言いようがない。
陰キャラ、ウェンズデー・アダムスが美少女なんですが、どことなくジョニー・デップにも似ていて、ティム・バートン監督はこういう系の顔が好きなんだなと思いました。
シザーハンズを思い出します。
ウェンズデーのルームメイトイーニッド・シンクレア ( エマ・マイヤーズ)も美少女。
チャーリーとチョコレート工場のガムを長期間かみ続けるチャンピオン・バイオレット(アナソフィア・ロブ)を彷彿させるビジュアルです。
ウェンズデーと真逆のキャラが面白さを倍増させています。
ついでに、ウェンズデーが着用するドレスが素敵で、
ビートルジュースのウィノナライダーを思い出しました。
これはキャリーかな?っていう演出もあったり。
ティム・バートン監督の世界観が好きな人なら、大変楽しめるはずです。
予告の冒頭部分の映像で、青春映画に出てくるようなアメリカンハイスクールが登場します。
Netflix『ウェンズデー』予告