オノ・ナツメ『どこかでだれかも食べている』を読みました。
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『どこかでだれかも食べている』あらすじ
食べ物から生まれるやさしい物語。
プリン・ヨーグルト/お弁当屋/冬至/焼き芋ふかし芋/つつむもの/残業パン/クッキー裏返し/留守番の味/ブルーベリー/食卓の真ん中にのぼるもの/ポテトサラダ/温泉まんじゅう/おでんのはんぺん/クリスマスケーキ/鏡開き/恵方巻/海藻サラダ/おにぎり・おにぎらず/立飯/チャンジャチャーハン/夏・山・カレー
『どこかでだれかも食べている』感想レビュー
ちょっと古い会社だと、その会社独自のルールがあったります。
『残業パン』では、残業する社員のために近所のパン屋で残業食用のパンを購入するお話。
『鏡開き』は、新人社員がお餅を細かく砕くお仕事を任されるお話。
『クリスマスケーキ』は、営業先のケーキ屋さんのクリスマスケーキの注文を社員があつめる話。
うわー!なんて細かい設定を描くんだろう!
実際に会社勤めした人じゃなきゃ思いつかないエピソードの数々がくすぐったい。
私が勤めていた会社では、残業する人に出前が取れました。
どのお店から出前を取ってもよかったんですが、18時頃になると蕎麦屋さんのおじさんが会社にやって来て、世間話をしながら出前の注文を聞いていくという営業をしていました。
気乗りのしない人にもおじさんは陽気に声を掛けて、
「そばにしとく?親子丼にしとく?食欲が無いの?じゃあ、おろしいれた冷たいそばにしとこうか?」
会話が上手なので、みんなついつい注文してしまうのが見てて楽しかったなぁ。
そんなこともあったなあ。。。
食べ物にまつわるエピソード『どこかでだれかも食べている』を読んだら、不思議と自分の昔のことも思い出してきました。
『留守番の味』と言われて、私の留守番の味って何だっけ?と考えたり。
『残業パン』のエピソードで思い出したんですが、先日番組で、千円渡されて、ちょっとしたお茶菓子を買ってくるように上司から言われ「好きな物をひとつ買っていいよ」と言われた部下は、シャンプー500円を買ってきて、これってどうですか?という質問が紹介されていました。
「察しろよ!」という意見もありましたが、ハッキリ言わなかったので部下に落ち度は無いという見方もあり、結局は、
「リンスも買ってあげたらよかったね」
みたいな、ファーストサマーウイカさんの返答が絶賛されていました。
さすが大阪出身。
返しが上手い。
シャンプー500円が良いか悪いかは置いといて、生活必需品を購入するあたり無駄がないというか、その部下はたくましいと思いました。
多分、その部下は「さとり世代」にあたると思います。
さとり世代は「無駄遣いをしない」「気の合わない人とは付き合わない」傾向が高い。
なるほど。
『どこかでだれかも食べている』は何でもない日常の食べ物にまつわるエピソードのなんですが、読んだ後は、なんだかほっこりしたのでした。