まだ新型コロナウイルスが日本でそこまで流行ってなかった頃、映画「コンテイジョン」のようなことになるかも、と言った人がいたんですが、確かに。
ゴホゴホ。
そんな咳からの冒頭シーン。
製作者たちはアメリカ疾病予防管理センター (CDC) や他の感染症の専門家から情報や助言を得て作っただけあり、競技場に病棟を臨時設置する場面は「中国でやってた!」と今の新型コロナウイルスの状況をなぞっていく感覚に、予言か、、、?
「コンテイジョン」予告
映画「コンテイジョン」では、新型コロナウイルスより潜伏期間が短く発症までがはやく、致死率も高い設定です。
感染者は急激に具合が悪化して、口から泡を吹いて倒れていきます。
このウィルスのはじまり、医者の見立ては脳炎と考えられるけど不明というもので、なるほど中国で発生した当初も、医師の見立ては重度の肺炎というのも類似しています。
最も優先すべきことは何だ?
CDC(疾病予防管理センター)のエリス・チーヴァー医師( ローレンス・フィッシュバーン)が 、エリン・ミアーズ医師(ケイト・ウィンスレット)に質問する。
「発症者と感染したと考えられる人々を隔離することです」
やっぱり隔離が大事なのね~!
現在、誰が新型コロナウイルスを保有しているかわからない状態になっていますよね?
新型コロナウイルスにかかっても重症化しないと思って出歩いている若者もいるようですが、自分が仲介者となって誰かに感染させるリスクもあるわけで、外出自粛するのは自分のためだけでなく他人のためでもあることが映画を見てよくわかりました。
「外出自粛」のアナウンスはありますが、何がどう危険なのかが、いまいち国民に伝わってないと思います。
私も映画を見るまでピンッときてなかったですもん。
外出を自粛してもらうためには、情報の伝達に工夫が必要なのかもしれません。
映画では感染が広がって突然変異が起きてしまいました。
なんと!
感染が広がることで、突然変異のリスクがあるのです。
そして致死率はますますあがり、全世界で12人に1人が感染・死亡する事態に陥っていくのです。。。
人は通常1日に2千~3千回、自分の顔を触る。
ドアノブなどに触り、そうした媒介物により感染するリスクがある。
映画でも注意喚起していました。
先日、米カリフォルニア州サンタクララ郡の公衆衛生局長サラ・コーディ医師が顔を手で触るようにやめるよう注意喚起をしながら、指を舐めてページをめくった動画が話題になりました。
コントかっ!という、↓こちらの動画。
みんな(注意してる人がやってるなら無理じゃん!?)って思ったよね?
日頃からマナーとしてきちんとしている人は、無意識にやらないはず。
咳エチケットもそうですよね。
新型コロナウイルスが終息した後も、咳エチケットは続けて欲しいと思います。
CDC(疾病予防管理センター)のアリー・ヘクストール(ジェニファー・イーリー)が、ウイルスがブタ由来の遺伝物質とコウモリウイルスの合成物であることを突き止める。
しかし、培養ができずワクチンができない。
ワクチンができたとして、臨床試験に時間がかかり、許可を取らなきゃいけないし、製造や流通にも時間がかかる。
このウィルスを危険すぎると感じたエリス・チーヴァー医師は、レベル4に危険度を引き上げて、国の研究所で研究するように指示をする。
「国のラボだけで研究していたらいつまでかかるかわからない!」
反対するイアン・サッスマン博士(エリオット・グールド)の気持ちもよくわかる。
何を優先すべきか。
難しい問題です。
もし、新型コロナウイルスの患者がこのまま増え続ければ、ワクチンが完成しても映画「コンテイジョン」のように長いワクチン接種待ちが起きてしまいます。
ワクチンが完成するまで、新型コロナウイルスの患者を増やさないこともとても大事だと映画で理解できました。
映画ではマスクの買い占めは描かれていませんでした。
豪華客船から下船できないことも描かれてはいませんでした。
けれどもウィルスに効くとされる薬草がバカ売れしたり、
病院の待合室ではウイルスに感染したかもしれないという患者で溢れかえり、
とうとう町は暴徒で溢れかえり、スーパーは略奪で品薄になっていきます。
そのうち州に検問が設けられて、州から脱出できない状態に。
フリー記者・アラン・クラムウィディ(ジュード・ロウ)が防御服で街を歩いている姿は、新型コロナウイルスで無かったら「大袈裟だなぁ」と感じるところですが、今ではナオミ・キャンベルも防御服で航空機に乗る時代!
しみじみ「コンテイジョン」はよくできた映画だと感じました。
さて、ネタバレになりますが、
仕事に尽力しているうちにエリン・ミアーズ医師はウィルスに感染してしまいます。
一生懸命に働いていた彼女が看護師がスト中でまともな手当ても無いところで苦しむ姿は見ていてとても苦しいです。
さすがケイト・ウィンスレット!
(7度のアカデミー賞ノミネート経験を持つ実力派女優の名演技です)
エリン・ミアーズ医師に新型コロナウイルスの流行初期に警鐘を鳴らした医師、李文亮氏が重なりました。
李医師は診察の過程で自身も新型肺炎に感染、2月6日にお亡くなりになりました。
人命のために尽力した人がどうして命を落とさなければならないのか、やりきれない気持ちになります。
『コンテイジョン』に出演しているケイト・ウィンスレット、マット・デイモンから新型コロナウイルス感染拡大防止メッセージ -がYouTube に4月3日にあげられました。