なんてライトノベルなタイトル!
そう思ったのは間違いではなく邦題でした。
英題は『Demolition』
Demolition は「解体」とか「破壊」
あぁ、確かに解体や破壊では見る気がしないかったかも!
タイトルの邦題は賛否両論があるようですが、映画の世界観を現代風且つ日本向けに表現できていると感じます。
映画『ブローバックマウンテン』のジェイク・ギレンホールが主演をしてることもあり興味があって見ました。
ブローバックマウンテンがすごくよかったんです。
あらすじ
妻ジュリアの父親フィルが経営する投資銀行で働くデイヴィス。
妻が運転する車で出社中、彼女は事故死してしまう。
デイヴィスはこの悲劇に涙も出ない自分は、ジュリアを愛していなかったと感じるように。
そんなデイヴィスは、自販機から商品が出てこなかったと苦情の手紙を送ったのを機に、自販機を管理する会社で苦情処理係をするシングルマザー、カレンとその息子クリスと出会う。
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ウォールストリートで仕事をしている人は感情に欠けているとか、ちょっと変な人が多いみたいな題材になることはよくあります。
例えばホラーな『アメリカン・サイコ』
上司が最悪な『ワーキング・ガール』、
その上司の紹介で会った男性(ケヴィン・コスナー)も最悪。
イケメンだけど性癖がやばめな『ナインハーフ』
古い映画しか思付きませんでした(;^ω^)
映画『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』もそれ系かな?と思ってみたんですが、ちょっと違ってました。
それにしてもサスペンダーは、ウォールストリートのエリート!って感じなファッションです。
映画『ウォール街』のマイケル・ダグラスのファッションの影響から、サスペンダーはウォールストリートのエリート・ビジネスマンの象徴ですね。
スーツ&ヒゲ面のジェイク・ギレンホールもイタリアン・メンズみたいにカッコイイ。
妻が亡くなった後、義両親の家にデイヴィスは食事に招かれます。
「妻は悲しいときは料理をするんだ」
と義父が言います。
何かに集中することで、精神のバランスを保とうとする行動はわかる気がします。
デイヴィスは妻が亡くなって間もなく、会社に出勤して周囲に驚かれます。
しかし、デイヴィスにはいつもどうり仕事をすることが、精神を保つ本能的な行動だったのではないでしょうか。
デイヴィスの行動や態度がアメリカでは意外に見えてるようなんですが、、、
でも、あまりにも突然に亡くした場合、実感できなかったり、受け入れられなかったりして涙が出ない、というのは日本ではよくあることだと思います。
お葬式でバタバタして、ようやく落ち着いたころにホロッと涙が。。。
ドラマでも仕事にすぐ復帰してしまうサラリーマンが描かれることも珍しくありません。
日本人にはデイヴィスの気持ちがわかるのではないかな。
その人が悲しそうに見えなくても、ショックを受けてたり、悲しんでいることはあると思います。
義父・フィルをクリス・クーパーが演じています。
映画『アメリカンビューティー』(アカデミー賞作品賞受賞)で、フランク・フィッツ大佐を見てから彼のことが好きで、出演しててうれしかった!
男らしい外見なのですが、どこか繊細を感じる人なんですよね。
経歴を見たらバレエを習ってたそうで、なるほどそういうところからくる雰囲気かも。
娘を亡くした威厳のある父の演技が素晴らしいと思います。
結婚当初はデイヴィスを気に入っていなかったフィルですが、自分の会社で働かせたり、娘が亡くなってからもデイヴィスを気にかけたり、ザ・お父さん。
デイヴィスが義父の会社で手腕を磨いたのは、やっぱりフィルに認められたかったからだと思いますし、それは妻を愛してたから努力したのだと思います。
そしてデイヴィスはフィルのことを尊敬していると思います。
妻を亡くした後、
「心の修理も車の修理も同じことだ。まず分解しろ」
このフィルの言葉がデイヴィスの心に響きます。
まぁ、見ている側としては(そう捉えたかー!)という感じでしたが、デイヴィスはフィルの言ったことを自分なりに実行してみるのです。
すごく繊細な表現なんですが、デイヴィスが妻の面影を見ている場面、それがデイヴィスの妻を亡くした悲しみの現れなんだと感じました。
私は(こういう悲しみ方もあるんだな)と思いましたし、デイヴィスは妻を深く愛していたんだなと感じました。
本人が思っている以上に。
デイヴィス自身も、悲しんでいるのか悲しくないのか、わからないくらいですから、見ている側に委ねられる部分が大きい映画だと思います。
病院でデイヴィスはチャンピオン社の自販機でM&M'Sを買います(黄色いパッケージは ピーナッツシングルかな?)
でも商品が出て来ない。
デイヴィスはチャンピオン社に手紙を送ります。
このデイヴィスの行動がとても興味深い。
わかるような、わからないような。
手書きで黄色いレポート用紙に書いていくのも興味深い。
パソコンで打つとかじゃぁ、ないんだ。。。
見てるうちになんだか黄色いレポート用紙が欲しくなってみたり。
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不思議と引き込まれていく映画でした。
あとツボだったのがデイヴィスの夫妻の自宅。
おしゃれーーー!
内装もシンプル。
車の大きさからわかると思いますが、かなり大きい家です。
玄関脇のベンチに、近所の人からのお悔やみのお花が置いてあって、
アメリカっぽいと思いました。
日本だと鍋を置いておくとか無いですよね。
それにそうやってご近所さんが置いておくのを見て、妻のジュリアは社交的でみんなに好かれたんだろうなぁと想像させます。
デイヴィスは自分の性格に無い、妻ジュリアの人柄に惹かれてたのではないかな。
クリス役の美しすぎる少年ジュダ・ルイスもよかった!
女の子と思うくらい可愛い。
問題児っぷりの素晴らしい演技で魅せてくれます。
この映画、なんで年齢制限があるの?って思ってたら、クリスが無茶苦茶して心臓に悪い場面があって、これかっ!!(笑)
クリスのアナザーストリーを映画化できるんじゃないかと思うくらい良かったです。
おすすめの映画です。