ゲゲゲの鬼太郎でおなじみの水木しげる氏ですが、太平洋戦争下のニューギニア戦線・ラバウル方面に出征、過酷な戦争を体験された経験があります。
敗走記 は、水木しげる氏の実体験では無く、親友であった真山さんの体験や、高岡連隊の実話、兄から聞いた話、などほぼ実話が描かれています。
実体験をもとに描写もされていると思われるのですが、地味に死んでいく様がとても不気味に感じたり、当時の日本軍の思考に恐怖を感じました。
一難去って、また一難!助かったと思っても、次から次へと試練があり、そこを生き抜くのはほぼ不可能な状態に震え上がります。
戦争って、、、と絶句してしまいます。
ここには語られてない数多くの人も、過酷な体験をしながら死んでしまったんだな、と思います。
このような作品は漫画という枠を超えてとても貴重だと感じます。
「敗走記」詳細
戦争を生き抜いた著者がつづる生と死の物語
戦記ドキュメンタリー完全復刻!
昭和19年、南太平洋ニューブリテン島中部、部隊は壊滅的打撃を受けたものの、ひとり生き延び、仲間の鈴木と合流することに成功する。そして断崖を通り抜け道なき道を進み、敗走を続けた。敵に追われ、飢えや渇き、暑さに苦しみながらも九死に一生を得た著者が綴る、生と死の物語。戦記漫画の傑作を6編収録。
水木しげる氏の太平洋戦争下のニューギニア戦線・ラバウル方面に出征、過酷な戦争を体験は『水木しげるのラバウル戦記』にて読めます。
戦争経験者が「戦争を語る」のはとても難しいことです。
戦犯として罰せられる可能性もあったと思いますし、周囲の人に「あの人は戦争で人を殺したことがあるんだよ」と後ろ指をさされてしまうこともあります。
また、辛くて思い出したくない、子供に聞かせたくない、知らないほうが良いという場合もあります。
戦争に口を閉ざす高齢者は珍しくありませんから、こうして漫画で戦争を描いた水木しげる氏はすごいと思いますし、本にした出版社もすごいと思います。
現代では漫画は娯楽要素が強いですが、昭和では子供達への教育のために、どこか使命めいた強い思いを抱きながら娯楽に戦争を織り交ぜて平和とは、愛とは、友情とは、家族とは、さまざまなことを教えてくれる教科書だったように思います。
昨日の3月3日に、マイクロソフトの共同創業者、ポール・アレン氏は、第2次世界大戦中に撃沈された戦艦武蔵を「フィリピン中部のシブヤン海の海底で発見した」と自身のツイッターに投稿しました。
大和ミュージアム館長の海軍史研究家戸高一成は「ほぼ間違いなく武蔵」と指摘しています。
1944年(昭和19年) 10月24日に沈没していますから、70年かかかって発見されたわけです。
「日本国憲法 第9条」の改正に注目が集まっているこの時期に、武蔵丸が発見されたことに何かしらの意味があるようにも感じます。
『姑娘』詳細
中国侵略の途上、日本軍のある部隊が山村にいた若い美女・姑娘を発見、捕虜とする。
だが姑娘と出会ってしまったことで、分隊長と上等兵の運命は予想もしなかった方向へと向かい出す(表題作)。
その他、戦艦大和艦長・有賀幸作の苦悩を描いた「海の男」など4作品を収録。戦争を体験した著者が描く戦争の悲劇。