現代の太宰治!?【読書】ここはおしまいの地・こだま(エッセイ)(感想レビュー)

【読書】ここはおしまいの地・こだま(エッセイ)(感想レビュー) 

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こだまさんのエッセイ『ここはおしまいの地』を読みました。

おしまいの地というのは、すごく田舎で終わってる土地、といような意味合いで使われています。 

こだまさんは実話小説『夫のちんぽが入らない』の著者です。

まぁ、この手の話は昔から、例えば映画ゴッドファーザーやセックスアンドザシティなどでも取り上げられてる問題ですが、日本人で実話に驚きを感じるとともに、入らない相手と結婚したことにも驚く小説だと思います。

ここは、おしまいの地

ここは、おしまいの地

 第34回「講談社エッセイ賞」受賞作品

街の耳鼻咽喉科の医者が「じゃあ明日また来てください」と言ったとき、こだまさんと母親は「気が遠くなった」とあります。(タイトル:雷おばさんの晩年)

バスに乗り、

列車を乗り継ぎ、

タクシーに乗ってようやく耳鼻咽喉科に辿り着く。

こだまさんが住んでいた実家は街から100㎞ほど離れたおしまいの地なのです。

 

日本むかし話を現代に置き換えたような、ちょっと不思議な感覚のエッセイ。

コミカルな比喩と読みやすい文章でぐいぐいと引き込まれますが、エッセイ全体に切なさが漂いつつも、どこか優しさに包まれています。

あとがきに、こだまさんが

「おしまいの地」は「おもしろの地」そう考えると閉ざされた集落や家族にも愛着が湧いてきた

と書いていて、彼女の複雑な思いが文章ににじみ出ていると感じました。

 

小学生のとき、顔にあるホクロと痣からあだ名をつけられ、こだまさんの学校生活に影を落とします。(タイトル:川本、またおまえか)

こださまさんは泣いてクラスの女子を味方につけるようなタイプではなく、隠秘する髪の分け目の研究に励んだり、努力をしちゃう人。

負けず嫌いとも言うか。

だからちょっと悲しいエピソードにも、どこか小さな希望と滑稽さが入り混じって面白い。

『川本、またおまえか』は思春期の切なさがたくさん詰まったエッセイでした。

 

興味深かったのは、こだまさんは実生活ではなかなか友達と呼べる人がいないようなんですが、ネット上で仲間ができ、やがて『文学フェア』という催しで同人誌を販売するようになったことです。

そもそも『文学フェア』があるのをはじめて知りました。

コミケの文学版と思ったらいいのかな?文学フェアは入場無料のところも多いよう。

その文学仲間から叱咤激励されて書き上げたのが実話小説『夫のちんぽが入らない』なのです。

こだまさんの入院生活を励ましたのも文学仲間。

いいエッセイだなと思いました。

実際、『ここはおしまいの地』は第 34 回講談社エッセイ賞(選考委員/岸本佐知子酒井順子東海林さだお坪内祐三・林 真理子)を受賞したのですから、著名な作家さんも認めるよいエッセイです。