第一次世界大戦前夜の時代を舞台に、英国ロンドンの高級テーラーに本部を置く独立スパイ機関「キングスマン」の誕生の秘話を描く、
『キングスマン:ファースト・エージェント』をAmazonPrimeVideo見放題で見ました。
主役を演じるレイフ・ファインズはスパイ映画『007 スカイフォール』でイギリス情報局秘密情報部(MI6)の部長Mを演じていて、つながりに洒落が効いています。
映画『キングスマン:ファースト・エージェント』あらすじ
英国の名門貴族、オーランド・オックスフォード公(レイフ・ファインズ)は息子コンラッド(ハリス・ディキンソン)の第一次世界大戦の従軍に反対していた。
その頃、「闇の狂団」は世界に破滅的な戦争を起こす計画を企てていた。
『キングスマン:ファースト・エージェント吹き替え版』の声優に、
オックスフォード公(小澤征悦)、息子コンラッド(梶裕貴)、 アーチー・リード (櫻井孝宏)、アメリカ合衆国大使 (井上和彦)など
映画『キングスマン:ファースト・エージェント』(感想レビュー)
「闇の狂団」からイギリスを守る!厨二病な世界観に大笑いしました。
まず闇の狂団の立地が「ありえない場所」で、おとぎ話レベルの断崖絶壁の上にあり、そうそう!ファンタジーではこういうところに魔王城や悪の組織が潜んでいるよね!というお約束な場所。
随所に、真剣に面白い演出があって笑えます。
でもちゃんと伏線になってたりして驚きもあったり!
その断崖絶壁へオックスフォード公が向かうのに(当然)トラブルが起きます。
ランボー、クリフハンガー、ミッションインポッシブルあたりをオマージュしているのか、アクション映画でよく見られるトラブルに笑えますが見応えあり!
アクションも大変良く、「闇の狂団」のメンバーのひとりロシアの怪僧、ラスプーチン(リス・エヴァンス)との戦いが最高でした。
ラスプーチンから夜のお誘いがあり、えぇ、、、オックスフォード公どうなっちゃうの!?
笑いありキレが良く最高でした。
ラスプーチンは実在した人物で怒られないかしら、心配になるほど。
私はこのラスプーチンは好きなキャラです。
とにかく個性的でかっこよくて面白い。
「闇の狂団」のリーダー・羊飼いとの戦いはクラシックで「貴族たるもの」といった精神的な美学も見られます。
映画『レジェンド・オブ・ゾロ』のように剣をカンカンしちゃうアクションも楽しめます。
第一次世界大戦も描かれ戦争の過酷さも伺えました。
突撃の合図で塹壕から飛び出してすぐに射殺されてしまうとか。
息子コンラッドは映画『ハクソー・リッジ』さながらに戦場を走ります。
父親に逆らって従軍したわけですが、まぁ、よくありますが、死にそうになって後悔するわけです。
けれど従軍しなければ、周囲から嫌味を言われたり、臆病者の印である羽を渡されたりするわけです。
特に思春期の男の子にこういう攻撃は堪えます。
だからコンラッドの気持ちもわからなくはない。
戦争は悲劇しか生まないというメッセージが伝わってきました。
片足を亡くした兵士がコンラッドに「寒いので寄り添って欲しい」と願います。
その構図はピエタのようでもあります。
ピエタとはイタリア語で「あわれみ」とか「なぐさめ」という意味で「死んで十字架から降ろされたキリストを抱く母マリア(聖母マリア)」の絵画や像が多くあります。
ミケランジェロの『サン・ピエトロのピエタ』は見たことがある人もいるかもしれません。
あの場面がピエタかどうか自信がなかったのですが、そういえばキリスト教で羊飼いって関連性があったなぁ、、、と検索。
キリスト教では、イエス・キリストを「善き羊飼い」、信徒を「ストレイシープ」と比喩する。
ということは、「闇の狂団」の羊飼いと名乗るリーダーは、自分は神だ、というつもりなのかもしれません。
イギリス人は紅茶をよく飲むことで知られますが、
「酔い覚ましに濃い紅茶を持ってきてくれ」と言った会話もでてきて楽しいです。
息子コンラッドの誕生日にはビクリトアケーキが登場します。
日本のイチゴショートケーキの原型となったと言われるケーキでもあります。
ビクリトアケーキは日本で販売しているお店が少ないのですが、楽天市場の店舗をもたないスイーツ店で購入できます。
アメリカ大統領のもとに執事がピーナッツバタークッキーを運びます。
ピーナッツバタークッキーというのがいかにもアメリカンクッキーらしい。
アメリカ大統領は頑なに参戦しなかったのですがその理由が、、、アメリカを皮肉ってるのもイギリス人らしいかも。
スイーツやクラシックなファッションなど細かいところも楽しい映画でしたが、国の歴史、関係性、宗教など詳しいともっと楽しめると思います。