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アムステルダム国立美術館で去年開催された史上最大のフェルメール展、オンラインでバーチャルツアーが可能に!(無料)(美術鑑賞 感想レビュー)

 

アムステルダム国立美術館で去年開催された史上最大のフェルメール展が、

オンラインでバーチャルツアー(無料)できるようになっていました。

フェルメール展を自宅で楽しめます。

リンク https://www.rijksmuseum.nl/en/vermeer-360

 

 

アムステルダム国立美術館で去年開催された史上最大のフェルメール展とは?

 

約35点とされるフェルメールの現存作品のうち、実に28点を揃えた空前の展覧会。

世界の美術ファン垂涎の内容でした。

会期 2023年2月10日から6月4日まで。

 

《デルフトの眺望》《小路》《真珠の耳飾りの少女》《牛乳を注ぐ女》《婦人と召使い》《赤い帽子の女》 《信仰の寓意》《ヴァージナルの前に座る女》《ヴァ―ジナルの前に立つ女》《窓辺で手紙を読む女》《手紙を書く女》《聖プラクセディス》 《フルートを持つ女》《マリアとマルタの家にいるキリスト》《地理学者》《取り持ち女》《メイドと一緒に手紙を書く女性》など

 

フェルメールって?そんな人におすすめの動画。

超有名な『真珠の耳飾りの少女』を山田吾郎氏がわかりやすく解説。

昔は『青いターバンの少女』ってタイトルだったことにも触れています。

 

 

山田五郎氏は絵画動画「オトナの教養講座」が人気で関連本を2冊出版されています。

 

 

フェルメール『窓辺で手紙を読む女』修復に腹を立てる山田五郎氏の動画。

 

 

 

バーチャルツアーではズームにできるほか、絵画の補足もされていて興味深いです。

『窓辺で手紙を読む女』のキューピッドをズームした解説に、

 

愛の神キューピッドが弓を手に、欺瞞のしるしとみなされた2枚の仮面を踏みつけている。

その意味は明らかです。

真実の愛には偽りがなければなりません。

これは、手紙を読む若い女性への警告です。 

参照リンク https://www.rijksmuseum.nl/en/vermeer-360

 

欺瞞とは人の目をごまかし、だますこと。

と、いうことは若い女性の読んでいる手紙は。。。

なるほどキューピッドが消されていた理由がわかる気がしました。

キューピッドが意味深すぎます。

これは修復しないほうが意味合い的にも素敵な絵だったでのは?

これを知ると『メイドと一緒に手紙を書く女性』の背景に描かれた絵画も興味深いです。

 

机上のカーペットの解説には、

 

床ではなくテーブルの上にカーペットを敷く習慣は、すでに 17 世紀にオランダで生まれました。

これらの絨毯はフェルメールの数多くの絵画に登場します。

参照リンク https://www.rijksmuseum.nl/en/vermeer-360

 

これって、テーブルクロスのことですよね。

テーブルクロスの起源はいつか定かではないそうですが、絵画を通して当時のオランダ文化を垣間見ることができます。

 

 

アムステルダム国立美術館 オンラインでバーチャルツアーを鑑賞して(感想レビュー)

 

フェルメールは1656年の年記のある『取り持ち女』の頃から風俗画家へと転向していきます。

風俗画とは「庶民の普段の生活を描写し日常生活のさまざまな面を描いた作品のこと」 でエロな風俗をさすものではありませんが。

 『取り持ち女』は取り持ち女と呼ばれる娼婦と客との仲介をする女性と、娼婦を買おうとする男性が描かれており、そのうちのひとりがどう見ても乳を触ってる。

これが受けたんでしょう。

「この絵が欲しい!」と殿方は興奮したでしょうが、さすがに露骨すぎる。

買いにくい。

もう少し表現を抑えたシリーズが『牛乳を注ぐ女』『窓辺で手紙を読む女』だったりするわけですよ、たぶん女性グラビアです。

『取り持ち女』と同ファッションの女性が『牛乳を注ぐ女』に描かれてますし。

 

当時の男性が見ることのない女性の姿(例えば手紙を書いてる、読む、刺繍をする)は、見る人が見ればたまらなくエロだったのではと考えます。

男女が同じ部屋にいるだけで責任を取ることに陥ることもあるので、女性がひとりきり部屋にいる場面に遭遇するなんて意図がなければないわけです。

現代とまったく価値観が異なります。

確か、女性が手紙を読む姿っていうのは無防備すぎるから、親族以外の男性に滅多に見せないようにするとか高貴な女性にはそんなマナーがあったような(うろ覚え)

つまり言いたいのは当時の男性ならフェルメールの絵に興奮したんじゃないか、ということです。

漫画や週刊雑誌に水着グラビアが掲載されているように、フェルメールは絵として飾っておけるギリギリの女性グラビアを描いていたのではないか。

絵画の役割は時代と共に変化していまして、フェルメールの時代は娯楽的な要素が求められたのではないでしょうか。

 

また、歴史にさほど詳しくない私が調べてみたところ、『取り持ち女』が認められた1656年のオランダは無総督時代です。

 

アムステルダムは特権的豪商のレヘント層と彼らの選ぶ市長による寡頭政治に支配された。

参照リンク 無総督時代 - Wikipedia

 

つまり絵画の購買層はレヘント層の豪商が多かったのではないでしょうか。

貴族ではなく商人。

そのため売れる絵の流行が変わったことが考えられます。

 

あと、フェルメールの絵って現存数が少ないです。

 

 現存する作品点数は、研究者によって異同はあるものの、32から37点と少ない。

このほか記録にのみ残っている作品が少なくとも10点はある。

参照リンク ヨハネス・フェルメール - Wikipedia

 

もちろん古い絵は焼失したり、当時は今ほど売れてなくて無名の画家として処分されてたりなど理由はあるでしょう。

現存数が少ないことが意味しているのは、当時はさほど認められた絵では無く、芸術的価値が低かったのでは。

 

フェルメールも初期は風景や宗教関連の絵を描いていました。

しかし絵が売れなくて、売れる絵を模索して風俗画を描くようになったのではないでしょうか。

意外とフェルメールも苦労したのかな、と思うと身近に感じて鑑賞できるように思います。

オンラインのバーチャルツアーは簡単な解説もついているので、興味深く鑑賞できます。

 

評価の高いフェルメール画集