ビスクドール(フランス人形)がAIを搭載したような美しい
「子どもを守る」ためのAI人形が引き起こす惨劇を描いたサイコスリラー
映画『M3GAN/ミーガン』 がAmazonPrimeVideo見放題配信がスタートしています。
『死霊館』『ワイルド・スピード SKY MISSION』のジェームズ・ワン製作。
ワイルド・スピード - スカイミッションと言えばシリーズ興行収入大成功の映画。
そんなジェームズ・ワン製作なら映画『M3GAN/ミーガン』は面白いに違いない!とは思ったんですが、すでに続編も決まるほど大ヒットしました。
映画『M3GAN/ミーガン』 あらすじ
姉夫婦が交通事故で亡くなり、娘・ケイディ(ヴァイオレット・マッグロウ)を叔母のジェマ( アリソン・ウィリアムズ)が引き取る。
ジェマはおもちゃ企業の研究者であり、M3GAN(ミーガン)というAI人形の開発をしている。
映画『M3GAN/ミーガン』 感想レビュー
ミーガンは守るべき子供・ケイディをいじめた子に憎悪を抱きます。
もしも娘がいじめられたら?
ミーガンのように怒りを感じることでしょう。
ミーガンはいじめっ子の耳を引きちぎるお仕置きをします。
おぉ、、、でもその気持ち、わからなくもない。
ケイディは何も悪いことをしてないのに、いきなり暴力を振るわれるのだから。
理不尽にもほどがある。
ミーガンの行為よりも、いじめっ子がケイディにいじわるする場面のほうが怖いと感じました。
いじめっ子が痛い目を見たとき(耳ってそんなに伸びるの!?)と驚きのほうが大きかったです。
もちろんミーガンの過剰な行動は褒められたものではありませんが、ケイディを守るミーガンに怖さは感じず、ミーガンを取り巻く周囲のほうが怖い話だと思いました。
みうらじゅん氏がミーガンに「2023年 第26回みうらじゅん賞」を授与しました。
それほどミーガン人形はおじさんの心を掴んだのです。
確かに造形が魅力的です。
みうらじゅん氏によりますと、初日にはりきって映画を見に行ったら同世代のおじさんが見にきてたそうで、そうか、映画『M3GAN/ミーガン』を見たい世代ってまずはおじさんなんだ、と思いました。
みうらじゅん氏は人形が大好きですが、そういう人形好きなおじさんが一定層いて、漫画「ドルおじ #ドールに沼ったおじさんの話」も出版されているほどです。
だから懐かしい音楽が使われているのだろうか。
ミーガンがピアノでマルティカ「トイソルジャー」を弾きます。
おじさん世代に懐かしい音楽。
Youtue動画 Martika - Toy Soldiers - YouTube
それで、
ジェマを見て、これはジェニファー・コネリーを意識したキャスティングではないかと思いました。
ジェニファー・コネリーのホラー映画『フェノミナ』は根強いファンがいます。
1985年の映画ですから、当時のファンは現在おじさんでしょう。
ジェマが担当するオモチャは、一世風靡した「ファービー」を思い出させるのもなつか死!
映画「グレムリン」に登場する生物「モグワイ(ギズモ)」に似てることもあってファービーは爆発的に売れました。
映画『M3GAN/ミーガン』は、1980〜1990年代を知ってる人にわかるネタも入ってる遊び心のある映画だと感じました。
また映画にはたくさんの皮肉(ブラックユーモア)を感じさせる演出がありました。
叔母のジェマ!
研究者あるある!な性格で、まだ幼い少女であるケイディに彼女なりの「思いやり」を見せるものの、ケイディよりもミーガンの開発を優先してしまいます。
仕事に関しても、上司の命令よりも自分の好奇心が勝っちゃうタイプで、とんでもない額を勝手に自分の研究費に使用しています。
人としてどうなの?と疑問のある大人だけど、頭脳は優れてはいて社会的地位は高い。
実は姉夫婦の義両親がケイディを引き取りたいと申し出をしています。
義両親がどんな人物かはわかりませんが、独身の妹に親権が優先される、ということは、よっぽどだと思います。
また妹は裕福であり、子供にとって良い環境を与えられる、と児童福祉?は判断したのかもしれません。
大人な事情が垣間見られるちょっとした演出も、映画に面白みを与えています。
ケイディは次第にミーガンに依存していきます。
まるで若者が携帯依存しているよう。
そりゃそーだよね、あのジェマ叔母さんは悪い人じゃないけど心を開けない。
ミーガンを取り上げたとき、ケイディはジェマに暴力を振るいます。
AI人形よりも人間が怖い!そう感じるなぁ。
ホラー映画は苦手ですが、面白いと感じるホラー映画でした。