特殊な能力を持つ母親が、バイク事故で生死を彷徨っている娘を肉体へ戻す。
しかし、トラック運転手・ジョー(ニコラスケイジ)の火事で死んだ妻の魂が入り込んで、、、というスピリチュアルホラー。
ニコラスケイジ主演・映画『トゥ・ヘル』がAmazonPrime見放題だったので見ました。
映画『トゥ・ヘル』(感想レビュー)
映画『トゥ・ヘル』を見るのに、ニコラスケイジが出演した映画『ワイルドアットハート』(1990年・デヴィッド・リンチ監督)を知らないと面白さがイマイチかもしれません。
映画『ワイルドアットハート』はニコラスケイジの出世作で、そのワイルドでクレイジーな男性像が人々を虜にし大スターへと導きました。
金髪の娘、
先の尖った靴、
楽しく水浴びする様子はダンスシーンっぽい、
激しいエッチシーンなど、
映画『トゥ・ヘル』の演出はワイルドアットハートを連想させます。
あのニコラスケイジを見たい!と思っているファンにはたまりません。
しかし、ニコラスケイジのモジャモジャ胸毛が無くなってるのにはびっくり!
胸毛がセクシーな時代は終わったのか。
母親は冬の湖に落ちて仮死状態になった後から、生と死の間の世界に行けるようになりました。
映画では詳細な説明はありませんが、生と死の間の世界に行った影響は周囲に影響を与えるらしく、ジョー(ニコラスケイジ)の行動も怪しくなっていきます。
日本だと「幽霊に取り憑かれる」のは馴染みがある演出なので説明が無くても、なんとなくそうなのかなぁ、と察することができるけど、アメリカではどうなのだろう。
ジョーは火事で亡くなった妻と娘をずっと想っています。
ジョーがトラックの運転手で家を空けがちなことに妻は不満を募らせていたこともあり、ふたりが死んだのは自分のせいだと責めています。
それも幽霊に取り憑かれやすい状態を生み出したのだと思いますし、妻が娘の体に入れたのもジョーの想いが強かったこともあるのかも。
結局は、死者に生き返って欲しいレベルで固執してしまうのは良くないのでしょう。
映画『ペットセメタリー』もそういう物語でしたよね?
原作はスティーヴン・キング。
ホラー色の強い作品だが、主題は“愛するが故に、呪いの力を借りてまでも死んだ家族を生き返らせようとしてしまう”という「人間愛・家族愛の哀しさ、人間の愚かさ」といった点に置かれている。
参照リンク ペット・セマタリー - Wikipedia
だけど突然の家族の死を受け入れることも難しい。
東日本大震災の個人の体験談『呼び覚まされる霊性の震災学』では、
東日本大震災後、さまざまな幽霊の目撃談が出た。
死者・行方不明者が1700人を超える岩手県陸前高田市では、「何十人もの幽霊が道をふさいで車が渋滞した」という話もあった。
そうした目撃談が相次いだ背景には、東北には「イタコ」や「オガミサマ」などの「口寄せ」信仰があり、「霊的なものに親和性がある」と分析されることもある。
中略
遠洋漁業が盛んな地域で、津波だけでなく海難事故による死者・行方不明者が多い。
行方不明者を1週間程度捜索して、見つからなかった場合、漁場で指示を出すトップの漁労長が「死」を決め、家族に宣告する。
津波の場合でも、のこされた人たちが「死」を社会的に受けいれ納得する文化があることで、「幽霊が出ない」のだという。
幽霊は波長が合えば見えると聞きますし、
個人の精神状態によって見えたり、影響を受けたりするのではないか。
映画『トゥ・ヘル』は出だしは面白かったけれど、後半の失速がすごい。
でもニコラスケイジ劇場が見られて満足です。