『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』が10月1日からAmazonPrime配信開始しました!
そして10月2日から、ガンダムシリーズ最新作『機動戦士ガンダム 水星の魔女』がはじまります。
テレビシリーズ『機動戦士ガンダム』のなかでも「ククルス・ドアンの島」のエピソードは「急にどうした!?」と言いたくなるほど、浮いたエピソードです。
ジオン軍のドアンが無人島で戦争孤児を守り、育てているお話です。
このエピソードを映画を制作するとは、監督・安彦良和氏の思いの強さを感じました。
テレビ版から映画で変わっている部分がいろいろあって、例えば
子どもが4人 → 20人、
島の子供のひとり、16歳の美少女ロラン → カーラ、
など大幅に変えられていました。
テレビ版では、アムロの前にいきなりザクでドアンが現れて、
「おとなしく武器を渡してくれれば危害を加えない」
など、物語がわかりやすく自然。
美少女ロランがドアンの事情をアムロに代弁し、
アムロはドアンが子供を騙している、と非難します。
ロランもアムロもどちらの意見が正解はなく、戦争について考えさせられる内容です。
物語はテレビ版の方が良いと思いました。
映画はテレビ版の詳細を描いたものだと思っていたので、ほぼ新しい物語に作り変えられていたのが肩透かしでした。
また物語を変更したことにより、ガンダム不明なまま一旦捜査を打ち切るのに疑問が残るなど、納得がいかない場面がありました。
映像のクオリティは高く、安彦良和氏の絵が動いているのには感動しましたけれども。
これだったら、ドアンがアレグランサ島にやってくるまでを描いたのが見たかった。
そしたらドアンが現役で戦っている姿も見れましたし。
映画では「シャァかドアンか」と言われるほど、ドアンの腕前が凄いという設定になっていましたから、存分に戦っているところが見たかった。
そして子供たちを育てる決心をするドアンを描くことで、戦争を描いてもよかったのではと思います。
映画のブライトは、この時点でそんなに大人な対応できたっけ?
ブライトは19歳の新兵(テレビシリーズ第1話時点で軍歴6か月)でありながら、新造艦ホワイトベースの艦長になり、無我夢中で仕事をしています。
テレビ版 ククルス・ドアンの島ではブライトはアムロにめちゃくちゃ厳しいです。
でも、ククルス・ドアンの島のひとつ前のエピソードで、ブライトはマチルダから、
「レビル将軍がいなければあなたはとっくに死刑ですよ」
衝撃の事実を聞かされていると知れば、アムロに厳しく当たるのも無理も無いでしょう。
ブライトは艦長というプレッシャーからストレスを抱えているのです。
そんな人が、ひと芝居打つなんてことがあの時点でできるのだろうか。
ただ映画ではブライトが少佐に任命されていますから、テレビ版とは事情が違うのかなとも思いました。
日本人ならその戦いを見て、思い浮かべる有名な戦いがあります。
安彦良和氏はこれを描きたくてククルス・ドアンの島を映画化したのではないか?と思うほどでした。
AmazonPrime『Creator's Time アニメ監督 安彦良和 』で、『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』公開直後の安彦良和監督の心境、周囲の反応などを中心に語っています。