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人のぬくもりを膝に感じてみないか?江戸川乱歩「人間椅子」

ピースの又吉直樹さんが、江戸川乱歩の「人間椅子」を面白くて短編なので読みやすいのでおすすめ!と言っていたので、読んでみました。


人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1) (角川ホラー文庫)
惨めな日々の中で思いつめた男は、納品前の大きな肘掛椅子の中に身を潜める。その椅子は、若く美しい夫人の住む立派な屋敷に運び込まれ…。


私が選んだ単行本は、若者に文学に注目してもらおうという試みで表紙が漫画家の田島 昭宇さんが描かれて当時は大変話題になったものです。

ジャケ買いした人も多かったよう。

中身も読みやすくルビがふってあったりと工夫はされているのですが、慣れない文体にやや苦戦。

容姿の醜い男性からの手紙を読むところから話は始まります。

人間椅子はネタバレになりますが、題名のとおり、人間が椅子の中に入っている話です。

なにそれ!

想像するとキモイ!

でも、猫を飼っている私には男が感じていることが少しは理解できるような気もします。

猫が膝の上にのってると、幸福感に包まれるからです。

簡単にどかすことができるのに、実行できないもどかしさ。


共感するのは難しい作品でしたが、確かに短編で読みやすい作品でした。

私はこの「人間椅子」よりも「赤い部屋」のほうが好みですね。


江戸川乱歩傑作選 (新潮文庫)
日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。特異な暗号コードによる巧妙なトリックを用いた処女作「二銭銅貨」、苦痛と快楽と惨劇を描いて著者の怪奇趣味の極限を代表する「芋虫」、他に「二癈人」「D坂の殺人事件」「心理試験」「赤い部屋」「屋根裏の散歩者」「人間椅子」「鏡地獄」。


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