『すーちゃんの人生 わたしを支えるもの』益田ミリ(感想レビュー)
すぐ隣に住んでいそうな、すーちゃんの暮らしに共感する女性も多く人気の漫画です。
すーちゃんも40歳になり転職した仕事も慣れてきました。
書店員の土屋さんと再会し、ちょっと気になる大人な展開です。
すーちゃんは過去に 映画化されています。
『すーちゃんの人生 わたしを支えるもの』(感想レビュー)
今回の話を読んで、すーちゃんの転職は成功だったように感じました。
すーちゃんはバリバリに働くキャリアウーマンのような仕事ではなく、子供に美味しいごはんを提供する仕事です。
すーちゃんが仕事を通じて学んだり、楽しんでいる様子がわかります。
前職のカフェの店長だった頃と比べて、穏やかな職場環境で、かなり年上の女性が複数働いていて、ずっと勤められそうな雰囲気もあります。
小説家の山口恵以子さんがつい最近まで社員食堂で働いてらして、なんとなくすーちゃんの未来像を想像させました。
編集者に社員食堂の経験を活かした小説を書いてください!と言われて、渋々?書いた小説があります。
前作ですーちゃんの転職を逃げて欲しくなかったと感想を言ってる人もいたけれど、わかるよ!確かにすーちゃんがガツンッとやったらスッキリする!
でも、すーちゃんはそういう人じゃないし、今のすーちゃんが楽しく仕事しててよかったなと思います。
問題に向き合うことばかりが正解じゃない。
乗り越えるのが無理だなと思ったら、スッと身を引いてかわす。
それがすーちゃんの人生スタイルなんだと思います。
益田ミリさんのエッセイも読んでいるので、旅行のエピソードがこんな感じに漫画に活かされているんだな、とか、都内でドイツのクリスマスイベントを経験したから旅行に行こうと思ったのかな、と想像するのも楽しかったです。
次作が出るのは今度はいつかな。
今から楽しみにしています。
あと、少しだけすーちゃんの転職について言うと、書店員の土田さんが主人公の物語『世界は終わらない』の中で、
土田さんと書店の店長さんが、すーちゃんがいなくなったカフェでお茶したとき、
「なんだかカフェの雰囲気が悪くなったよね」
「前のほうがよかったね」
と言うんです。
すーちゃんが作り上げていたカフェは、ふたりの心に残っていて、他にもそう感じてるお客さんは大勢いたんじゃないかな。
すーちゃんはそんなこと知らないけど、読者としてはちょっと救われた気持ちになりました。