ホアキン・フェニックス(吹き替え・森川智之)主演映画『ボーはおそれている』 が9月13日からAmazonPrimeVideo見放題になったので見ました。
中年の男ボー・ワッサーマン(ホアキン・フェニックス)は半年ぶりに実家の母に会いに行く予定、が飛行機に乗り遅れ、そこからどんどんおかしな雲行きになっていきます。
映画『ボーはおそれている』(感想レビュー)
外出するとき、エアコンを切ったか不安になって確認しに行ったり、
そうした経験は誰でも多少は身に覚えがあると思います。
主人公・ボーは男性が部屋に押し入ってくる妄想して、思わずソファをグイーッと押してドアを塞ぐほど不安が強いです。
映画『ボーはおそれている』は映画『ミッドサマー』を手掛けた アリ・アスター監督の作品です。
ミッドサマーではカルト集団が描かれましたが、『ボーはおそれている』では何が描かれたのでしょうか。
アリ・アスターはインタビューで、映画『ボーはおそれている』について以下のように述べています。
「本作はとてもパーソナルな作品ですから。そもそも自分が不安症でなければこういった物語をつくろうと思わないでしょうし、この症状をみんなに体験してほしい気持ちでつくりました」
参照リンク 「僕の"不安症"をみんなに体験させたい」。アリ・アスター監督インタビュー【創造の挑戦者たち#86】|Pen Online
不安症とはパニック症、物質・医薬品誘発性不安症、社交不安症などさまざまな症状があります。
言われてみてば、ボーの住んでる地域がペンシルベニア州フィラデルフィアにあるケンジントン地区(薬物中毒者で溢れていることで有名)のように治安が悪く、ボーが向かいのお店に水を買いに行くときダッシュする冒頭場面で不安や恐怖を感じます。
私は小さいとき、夜中のトイレまでの通路が怖く、部屋からダッシュしたのですが、あの感覚を思い出しました。
店から部屋まで戻るのに焦るホアキン・フェニックスの演技が最高。
シュールな映像に引き込まれます。
映画『裸のランチ』とか好きな人は映像が好きかもしれない。
しかし、見る人が見たらわかる宗教的要素が込められていると言います。
私には難解な現代劇のように感じましたが、宗教に詳しく無い私が見たらそう感じてもおかしく無いですね。
監督の頭はどうなってるんだ!そんな感じ。
この後に、アリ・アスター監督の映画『ヘレディタリー 継承』を鑑賞したのですが『ボーはおそれている』のように屋根裏部屋、母親など通じるところがあります。
宗教的要素としてのユダヤ教について補足に下記の記事を紹介しますが、歴史が深すぎてわからんて。
これらがベースにあっての映像としたら、そりゃなにがなんだかよ。
ユダヤ人とは一体何なのか。中世以来の定義によれば、ユダヤ人の母親から生まれた者、もしくはユダヤ教への改宗者である。
これはどの民族にも通じることだが、ユダヤ人は自らのアイデンティティーを保持しながら生き残るために努力する。
それはユダヤ人が神と契約を結び、神に選ばれた民として生きることにより、「神の意志」を地上に実現することを自らの使命と捉えた時以来、ユダヤ人が自らに課してきた定めだと言える。ではその神の意志とは何なのか。
ユダヤ人の信じる『ヘブライ語聖書』(構成は異なるがキリスト教でいう『旧約聖書』に相当)によれば、神は最初の人間アダムを創造してこれを「祝福」した。
祝福とは繁栄や幸福などを引き起こすために発せられる神の言葉だ。
中略
神は彼と契約を結び、彼を祝福してその子孫を大いに増やすこと、彼とその子孫に永久にカナンの地(現在のイスラエルとパレスチナ)を与えること、そして彼とその子孫を通して全人類を祝福することを約束した。
参照記事 世界に離散、大富豪も多い...「ユダヤ」とは一体何なのか? 聖書と歴史から読み解けば世界の「今」が見えてくる|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
映画『ボーはおそれている』の感じ方は知識によって左右されるでしょう。
宗教知識は無くても、この感覚が好きな人は好きになる映画でしょうし、
印象に残る場面のある映画だとは思います。
参照動画・ABEMA Youtube 【アメリカの現状】中毒者が蔓延るフィラデルフィア