キツツキと雨
人里離れた小さな山間の村で、林業を生業にしている克彦(役所広司)は、2年前に妻に先立たれ、現在は無職の息子・浩一(高良健吾)と二人暮しをしています。ある日、いつものようにチェーンソーで木を切り倒していると、、、
映画「キツツキと雨」は、2012年に公開された日本映画で、監督は、「南極料理人」で話題を呼んだ沖田修一氏となれば、面白いでしょう!?ってことで見てみました。
舞台は岐阜。
監督曰く、林業を生業にしているところを探しててはじめは奈良がいいと思っていたんだけど思っていたより林業が盛んで、もう少し鄙びたところが良いということで岐阜になったのだそう。
林業を生業にしている克彦(役所広司)は、2年前に妻に先立たれ、現在は無職の息子・浩一(高良健吾)と二人暮しをしているのだけれど、度々衝突してしまう。
でも、そのケンカの仕方はやっぱり「家族」で、見ていて微笑ましい。
ある!ある!ある!そう!そう!そう!
そんな風に同感してしまった。
高良健吾さんはちょこちょこっとしか登場しないけど、すごい存在感と説得力があり、見ていてとても面白かった。
食事のシーンも、やたら「味のり」で白ごはんを食べる、というのが面白かった。
そして克彦(役所広司)は田舎に撮影にやってきた新人監督、田辺幸一(小栗旬)と出会うんですが、どうもこの田辺幸一という人物がよくわからない。
助監督(古舘寛治)のほうが、まだわかる。
映画が本当に好きなんだろうな、というのも伝わってくるし、服装からしてちょっと昔の映画が好きなのかなと思ったり、人物の背景がうっすら見えたりするように思う。
でも田辺幸一は、よくわからない。
初監督にプレッシャーを感じているのが段々わかってくるのだけれど、、、それにしても「おどおど」する中に、なんかもうちょっとあってもいいんじゃないか、と思えた。
それが垣間見えたのは、克彦(役所広司)に「今のOKですか?」とこっそり聞き、克彦(役所広司)の返事を聞いたときの決断。
(でも、あそこは田辺幸一(小栗旬)の反応次第でもっと面白い場面になったはず)
田辺幸一(小栗旬)にモヤモヤとはしたものの、克彦(役所広司)のペースに引き込まれ映画隊のみんなに一体感が出てくるところは見ていて爽快で、一緒に参加しているようで楽しかった。
チームワークって、みんながやみくもに一生懸命になるんじゃなくって、そういう流れになるのが大事なんだなと思った。
その場の空気で、人が自発的に動けるようになるような環境づくりをすることでチームワークが良くなってくる。
よく「ムードメーカー」と呼ばれる人がいるけれど、そういう人って案外貴重なんだなぁ。