「会社を支えているのは出来る2割の社員」という説があるけれど、
最近はリストラや業務のアウトプットで、会社を支えてる本質は何なのか疑いたくなる。
書下ろし小説ミサコ、三十八歳 ではそのタイトルどうり、主人公はミサコで38歳。そして副編集長。
その立場になってくると、人を使って仕事をしなければならないし、周囲に注意を払う必要もある。
その中で出てくる使えないバイト君の描写は物語にエッセンスを加えていると思う。
ミサコ、三十八歳 (ハルキ文庫)群ようこ
私の幸せはどこにあるのだろう―ミサコは小説誌の副編集長、都心にマンションも買った。でも、四十路を前に、心身とも少々疲れ気味。癖のある作家とのつきあい、バカなうえやる気がないバイトの男の子の面倒、徹夜での原稿チェックなどなど、仕事中心の毎日。それに加え、一人暮らしの父親の心配に、妹の結婚問題…彼女の心のよりどころは、愛猫のあーちゃんだけ!働く女の真実と切実さを、鋭くかつ暖かい眼差しで描く長篇小説。
ただこの表紙の女性のようなイメージが読んでみるとミサコには無く、ちょっと肩透かしを食らった感じ。
描かれているのは主人公のミサコではなく、ミサコの妹なのだろう。
華やかな女性の話を読みたかったわけでな無いけれど、もう少し軽快で前向きな話を読みたかった。