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ちょんまげぷりん 荒木源


ちょんまげぷりんと聞いて「わっ!おいしそう」と思ったけれど、それが映画だと知ってガッカリしたのが、ちょんまげぷりんを知ったきっかけでした。

がっかりって失礼な話だけれども。

ちょんまげぷりん [DVD]
錦戸亮主演で贈るラブコメディ。江戸時代からタイムスリップした侍・安兵衛は、シングルマザー・ひろ子の家に居候することに。プリンをきっかけにお菓子作りに目覚めた彼は、、、

映画はまだ見てないのだけれど、とりあえず小説を読んでみました。

濃厚な卵の入ったプリンを連想させる色の表紙と、侍、安兵衛のイラストの手にプリン、というナイスな組み合わせにセンスを感じます。


ちょんまげぷりん (小学館文庫)
その男は、180年前の世界からやってきた。
シングルマザーの遊佐ひろ子は、お侍の格好をした謎の男と遭遇する。男は一八0年前の世界からやってきたお侍で、木島安兵衛と名乗った。半信半疑のうちにも情が移り、ひろ子は安兵衛を家に置くことに。

◆感想

仕事が良くできるシングルマザーの子育ては大変だと思う。そこに、主夫の登場、、、には、働きながら子育てをするワーキングマザーには「うらやましい!」と叫びたくなると思います。

まして、彼の出現で生活がうまく回り出して、、、夢のような展開になるのはエンターテイメント小説として読んでいて安心感がありました。

小説なんだからいいじゃないの。そう思えます。

そして、木島安兵衛が子供を厳しく叱るシーンでは、そうやってしつけをする大人って見なくなったと思うし、誤られた側の態度も、そうそう、礼儀に礼儀で返さない人もいるな、と思ったり、母親のひろ子も本音をポロリと「しつけをするのは疲れる」とか言うし、ところどころに、現代のうっすらとした「なにかがおかしいぞ」という部分が浮上してきて、考えさせられる部分もありました。

でも、残念なのは最終的にシングルマザーであるひろ子の成長を感じ取れなかったこと。

ひろ子は自分勝手だな、と思うところがあったし、好感を抱くような人物ではありませんでした。

文章が読みやすく、時代錯誤な苦しくなりがちなやりとり部分もさらりと書かれており、SFや時代小説を読まない私でも気軽に楽しめる作品でした。