画像参照:The Dawn Wall (2017) - IMDb
ヨセミテ国立公園、DAWN WALL(ドーンウォール)への挑戦を描いたドキュメンタリー映画「THE DAWN WALL」がNetflixにUPされてたので見ました。
トミー・コールドウェルとケヴィン・ジョーグソンのふたりの若者がフリークライミングでドーンウォールを攻略していきます。
クライミングのことはさっぱりですが、そのテクニックのすごさが伝わってきますし、友情や恋愛も描かれていてエンターテイメント映画のように楽しめる作品でした。
Durch die Wand - The Dawn Wall
- 作者: Josh Lowell,Adam Crystal,Philipp Manderla,Peter Mortimer,Michael Negri,Nick Rosen,Audre Sherman,Zachary Barr,Ali Batwin,Juergen Kinateder,Brett Lowell
- 出版社/メーカー: Studio Hamburg
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: Blu-ray
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見はじめてすぐに、トミー・コールドウェルに興味を持ちました。
トミーは痩せっぽちな少年で、知的障害があると知った父は、トミーを鍛えるために山へのぼらせます。
その父がすごくて、プロのボディービルーダーで山岳ガイドもしている!
そんなお父さんいるかい!?アニメ的展開!
過酷な山登りを6歳にさせます。(今だったら通報されるレベル)
もはや修行の域。クライミングの英才教育ですね。
トミーはやがて山登りに頭角を現し、15歳には父より上手になっていきます。
しかしその後、招待されてクライミングしたキルギスでゲリラに人質にされたり、不注意から人差し指を失ってしまったり、劇的なエピソードに驚かされました。
またトミーがどことなくライアン・ゴズリングに見えなくもなくって、本当にこれはドキュメンタリーなのか!?と思えます。
The Dawn Wall - Trailer (予告)
漫画『岳』で主人公・三歩がハーフドームを登るエピソードがありました。
そのなかでエル・キャピタンには900mの高さを誇る絶壁があります。
誰もが手をつけていなかったのがブランクセッションが多く難攻不落と呼ばれる「ドーンウォール」という場所。
実際の映像を見ると、まさに壁!
壁を這っているのをカメラを90度に傾けて登っているように見せているのでは?と疑うレベル。
そこを素手と足だけでのぼっていく様子がすごい。
しかも、人差し指の先が無いんですよ!?
クライミングにおいて人差し指はかなり重要な指なのだそうです。
凹凸が無いように見える壁に、器用に指先やつま先をひっかけてのぼっていく。
クライミングに詳しくないけど「めちゃくちゃすごい!」ということはわかります。
クライミングする様子から目が離せなくなりました。
通常、いまだかつてない挑戦をするとき、ほとんどの人が野心の塊です。
トミーにも野心はありましたが、根本には愛する人を失った悲しみがあり、それを癒すために無我夢中で大好きなエル・キャピタンのドーンウォールを登ることにしました。
トミーは大人になってから知的障害の症状は薄れているように見えますが、知的障害を持つ人の特徴のひとつに「高いところへ好んで上る」ことがあります。
寂しい気持ちなどになったときに上りたくなると解釈されています。
映画『ギルバート・グレイプ』でレオナルド・ディカプリオが演じた少年の行動にも見られます。
トミーが懸命になって登れば登るほど切なく見えます。
家族もそんなトミーを見て、心を傷めながらも応援する様子が素敵に思えました。
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やがてケヴィンという相棒を得ることにより、トミーは癒されていきます。
トミーとケヴィンのクライミングで芽生えた友情も美しいです。
ケヴィンが相棒にオファーしてきたのですが、それまで面識の全くなかったふたり。
それがこんなに強い絆で結ばれるんだ!とびっくりです。
お互いに何も言わなくても伝わるような静かな友情が本当に美しいです。
ドーンウォールの頂上に近づくに従いトミーやケヴィンにマスコミが殺到し、地上はお祭り騒ぎになっていきます。
それに比べて宙ぶらりんなテントにいるふたりは穏やかで、その対比もドラマチックに感じました。
見ごたえのあるドキュメンタリー映画でした。
クライミングに興味が無い人にも、子供にも見て欲しい。おすすめです。
まだまだ上映しているところもありますので、ぜひ。