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妻を亡くした元マタギ・おじいちゃんがゲーム業界で凄腕スナイパーとして有名になる。おすすめ漫画『マタギガンナー』(感想レビュー)

 

はじめ、おじいちゃんマタギグルメ漫画かと思ったんですよ。

そしたら全然違って、マタギを引退したおじいちゃんが、

妻を亡くしてネットゲームをやり込み凄腕スナイパーとして有名になる漫画でした。

なにこれ!?発想が面白い。

 

 

マタギガンナー あらすじ

マタギを引退した山野仁成

妻を亡くし、山奥でひとり暮らしがはじまる。

ある日、不法投棄されたゴミの中からゲーム機を見つける。

中には「ガンナーズ・トライブ」というネットゲームが入っていた。

黙々とゲームをやり続け、 2年後、

凄腕スナイパーとしてゲーム業界で有名な存在になっていた。

 

漫画『マタギガンナー』(感想レビュー)

 

マタギとして生きてきた山野仁成には、

命の尊さを重んじる心があります。

ゲームと言えども、死を冒涜するような行為は許せません。

そして銃の弾も大事に使います。

そんなゲームに挑む姿勢がカッコいいです。

 

かと思えば、山野仁成は機械音痴なおじいちゃんで、

本名でプレイしてたり!!

フレンド申請がきても通知音が「うるさい」と切ったり。

天然な面白さもあります。

 

そんな山野仁成をサポートするのが田舎の電気屋さん「立花電器店

都会の電気屋さんだと、こうはいかない。

田舎の電気屋さんあるあるな高齢者に優しい電気屋さんなんです。

 

マタギガンナー2巻

 

2巻では

山野仁成の30年前のマタギ仕事や

近所のおばさん達が畑を教えてくれる様子も描かれています。

内容がネットゲームだけではないのも魅力です。

 

マタギガンナー3巻

 

3巻では

妻の兄(義理の兄)の権助(ごんすけ)を見舞いに行きます。

山野仁成と権助の40年前のマタギ仕事が描かれます。

権助の息子(治郎)が「人喰い熊を倒した話」を聞いていたけど、作り話ではないかと半信半疑のようでした。

 

これは北海道で有名な「三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)」をモチーフにした話だと思います。

漫画よりも三毛別羆事件のほうが被害は大きいです。

事件を描いたドキュメンタリー長編「羆嵐吉村昭  が有名です。

 

若い世代が知らないであろう、マタギの世界に触れられる興味深い漫画だとも思います。

ちなみにマタギについて補足すると、

マタギについて

 古くは山立(やまだち)とも呼ばれており、特に秋田県の阿仁マタギが有名である。

その歴史は平安時代にまで遡る。

近世以降は狩猟に銃を使うが、独特の宗教観や生命倫理を尊んだという点において、日本の他地方の猟師や近代的な装備の狩猟者(ハンター)とは異なる。

獲物は主に熊であり、他にはアオシシ(カモシカ、後述)やニホンザル、ウサギなどが狩りの対象となる 。

 

漫画『マタギガンナー』では秋田県マタギ・鈴木英雄氏に取材しているそうです。

鈴木英雄氏のマタギについて取材した記事があったので紹介します。

 

クマが出てから、「うわっ」ていうのでは絶対にダメなので。

これはクマに限らないけど、獲物を仕留めるときは苦しめないように、1発で仕留めろってジイさんに言われてきた。

難しいんだけど、できないこともないんだ。 

 

参照リンク マタギ①先祖代々マタギ・鈴木英雄70歳 | なんも大学

 

ゲームはプロeスポーツチーム「Sengoku Gaming」Zerost氏に取材。

「SPECIAL FORCE 2」「League of Legends」「VALORANT」の3種類のゲームで活動経験がある選手で 、ゲームに詳しくなくて恐縮なんですが、ともかくスゴイ選手。

 

 

山野仁成がゲームをはじめる動機がちょっと見えにくい。

妻が亡くなり、心を沈めるために何かに集中したかったのかな、と想像しますが、そもそもゲームに興味を持っていたきっかけは何だったのだろう。

マタギをしていれば、毎日山に入っていたと思われますが引退しているところがポイントではあります。

 

作画担当はスペインのファン・アルバラン。

長年、アメコミでスーパーヒーロを描いていて、『マタギガンナー』が日本デビュー作だそう。

犬のラッキーをもう少し犬っぽく可愛く描いてくれるとうれしいなぁ。

 

6月22日に新刊がでます。

マタギガンナー4巻