ある人の「学生時代まあまあ本格的に走ってた」という話を聞いた後で、
「自分は箱根駅伝に出たことはないけれど、
後輩が箱根駅伝に出るぞ!と聞くと仲間で集まって見ます」
とキラキラして話すので、ぼんやり箱根駅伝に出るってすごいんだ、と感じました。
いや、本当に無知ですまない。
全然知らないのだ。
箱根駅伝がわかるエンタメがあればと思っていたら、
直木賞作家・三浦しおんの『風が強く吹いている』が圧倒的な素晴らしさ!と絶賛されているのを知り
小説『風が強く吹いている』
三浦しおんが駅伝経験者 を訪ね、H大とD大に取材を申し込み、早朝の練習や高原の夏合宿に随行、記録会 や予選会を見学、そして、もちろん正月は「箱根」へ、と徹底取材を敢行。
構 想・執筆6年
その小説が原作のアニメ『風が強く吹いている』を見ました。
キャラクターデザインが『ハイキュー』を彷彿とさせると思ったら、アニメを担当した千葉崇洋氏がデザインしていました。
監督・野村和也氏も、ハイキュー!! TO THE TOP(2020年)絵コンテを担当、憂国のモリアーティ(2020年)監督・絵コンテ・演出するなど、これは面白そうな予感!と思ったら大当たり。
箱根駅伝・超初心者に優しいだけでなく、興奮、感動しまくり!
『ハイキュー』が好きな人は『風が強く吹いている』も楽しめると思います。
箱根駅伝アニメ『風が強く吹いている』感想レビュー
本当に箱根駅伝に出場できるまでに仕上がるの!?
そんな初心者メンバーで箱根駅伝を目指していくのも箱根駅伝初心者が理解しやすいポイントです。
箱根駅伝を本格的に目指している(中学校から陸上に打ち込んでいるなど)、
そんな人たちから見れば「はぁ!?(怒)」なわけですよ。
そんな生ぬるいもんじゃない、と。
そうかもしれないけど、初心者メンバーもふざけてるわけではなく。
双方に意識のギャップが生じているんですよね。
漫画オタクのオウジがいちばん問題で、そもそも走り方がヤバすぎ。
どん引きです。
でも、そこからどうなっていくのか!?
彼らがどうやって成長していくのか、すごく引き込まれました。
(オウジのTシャツに描かれている文字も気になります)
箱根駅伝に出場するための手順がわかりやすくて、
箱根駅伝の予選会に出場するための資格を得るため、規定のタイムを切るのにひと苦労で、タイムを出せなかったら何度も何度も大会で走ります。
予選会に出場するだけでも、こんなに大変!
そしてそこからさらに予選会で上位に入賞しないと、箱根駅伝に出場する権利が無いわけです。
箱根駅伝に出場することが学生の「夢」のひとつなのだと、ひしひしと伝わってきました。
寛政大学だけでなく、箱根駅伝に出場している選手全員が本気も本気で一所懸命だと伝わってきました。
そして箱根駅伝、当日の天気や選手のコンディションの問題なども表現されていて。
そういえば、数年前の箱根駅伝で熱を出して走ってた選手がニュースになってたなぁ、と思い出したり。
いちばん印象的だったのは、給水する人が選手と並行してボトルを渡すんですが、その人もかなりはやく走れないと渡せないよね、、、ってことは誰がやるんだろうか、と気になりました。
花形ランナー・六道に給水した人が、見送りながらぴょーんぴょーんと跳ねるんですよね。
そういう細かい表現もよかったです。
気になったので調べてみると、
飲んでいいのは「主催者が用意する水・スポーツドリンク」と決められている。
給水員は各チームの部員や大学関係者が務める。
惜しくも出場メンバーに選ばれなかった部員が、仲間に激励の言葉をかけながら、飲み物を手渡す。
給水員が手渡しのためにランナーと並走できる距離は、原則として50メートル以内だ。
ただ、ボトルを渡し終わったら直ちに立ち止まらなければならなかったコロナ前とは違い、渡し終わった後も並走し、必ず手渡しでランナーからボトルを回収する。
つまり、ランナーとしばらく並走できるだけの走力がないと、給水員は務まらない。
給水員は 1 地点につき 1 名とし、各チームの部員あるいは各チームが許可した大学関係者であること。
また、主催者が給水場所にて配付するビブスを必ず着用すること(給水終了後回収)。
給水用の水及びスポーツドリンクは日本体育大学の給水員が管理する。
各チームの給水員は日本体育大学 の給水員から水及びスポーツドリンクを受け取り、給水を行うこと。
参照リンク 第 95 回東京箱根間往復大学駅伝競走 給水要領
給水する人=「給水員」と呼ばれるんですね。
給水員がボトルを渡し終わったら立ち止まってたわ!
アニメ『風が強く吹いている』は2018年放映。
小説は2009年です。
そのため給水ルールが変更されていたり、ランニングウォッチなど当時は無かったものが描かれているかもしれないです。
アニメ放映前年、2017年箱根駅伝予選会。
給水所で前の選手が転んで三輪選手がよけようとしたものの、引っかかって転倒棄権するアクシデント(参照記事 箱根駅伝予選会 給水所で転倒し棄権…明大・三輪、ぼう然「まさか出られないとは」― スポニチ Sponichi Annex スポーツ)があり、アニメでも似たような表現がありました。
もしかして、アニメはこれを意識して描かれていたのか?もともと小説にあったのか?
ともかくリアルな大会の様子が描かれているのだと感じました。
アニメの後半でハイジをはじめ各家庭背景の説明があり、後半まで(なぜこの人は下宿・竹青荘で暮らしているのだろう?)など疑問が解けないのが少しモヤッとしました。
竹青荘で暮らすために箱根駅伝を目指す必要があるので、必然的にキャラの設定が箱根駅伝へのポテンシャルにつながるわけで、気になるわけですよ。
そのへんは小説のほうが詳しく描かれてるかもしれないですね。
コミックにもなっています。
柴犬・ニラが出てきます。
すごく可愛い。
犬の動きが愛らしい。
六道にお腹を見せてるところもよかったです。
すべてのキャラクターが魅力的に描かれており、箱根駅伝が好きになるアニメだと思います。
『風が強く吹いている』おすすめです。
あー、見て良かった!清々しい気持ちになれました。
箱根駅伝とは ― 概要 ―
関東学生陸上競技連盟加盟大学のうち、前年大会でシード権を獲得した上位10校と、10月の予選会を通過した10校、および関東学生連合を加えた合計21チームが出場します。
関東学生連合チームは予選会を通過しなかった大学の記録上位者から選ばれます(1校1人まで。タイムは参考扱い)。
東京・読売新聞社前~箱根・芦ノ湖間を往路5区間(107.5Km)、復路5区間(109.6Km)の合計10区間(217.1Km)で競う、学生長距離界最長の駅伝競走です。
参照リンク 東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト