映画『ファースト・マン』を見ました。
1969年、人類ではじめて月面に立ち
「これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩である。」
と言った人物、ニール・アームストロングの物語です。
映画『セッション』『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼル監督の作品、
と聞けばこの映画が決して華やかで明るいモノでは無いことが想像できると思います。
ファースト・マンでは、ニール・アームストロングがひとりの人間、子供のいる父親として描かれていますが、卓越した頭脳、精神の持ち主であったことも伺えます。
ジェームズ・R・ハンセンによるニール・アームストロングの伝記『ファーストマン: ニール・アームストロングの人生』が原作です。
古めかしい機器類。
電気系統のショートが起きまくり。
本当にこの装備で月へ行くのか?
携帯も無い時代に、月へ行くって凄いですよ。
ロケットが打ちあがったとき、轟音と揺れる機体の表現力が凄い。
ロケットが粉々にならないか?ヤベーッって感じ。
めちゃくちゃグルグル回る訓練装置。
あれって役立つの?
なんて思ってたら、宇宙でめちゃんこ役立ってました。
見ているだけで、うげーっな状態になっても、ニール・アームストロングは冷静に対応します。
普通の人だったら「二度とごめんだぜ!」トラウマレベル!
しかし、ニール・アームストロングは月を目指します。
何が彼をそうさせたのか。
最後に明かされる、美しい瞬間。
いい映画でした、
が暗い。
ニール・アームストロングは寡黙な人物で、陽気なアメリカ人のイメージからはほど遠いです。
父方が、スコットランド系アイルランド人およびドイツ人が先祖というのが影響しているかもしれません。
ニール・アームストロングが自宅のダイニングルームで家族に「月に行く」ことについて話します。
いぇーい!おめでとう!そんな雰囲気ではありません。
息子の質問に、まるで記者会見のように深刻に答えるニール・アームストロング。
シリアスな場面だけど、私はその返事にちょっと笑ってしまいました。
他人からは期待に満ちたミッションでも、家族にとっては父親を亡くすかもしれないリスクの高いミッションです。
このダイニングルームでの会話が最後になるかもしれない。
そんな不安を抱えている家族に、ニール・アームストロングでさえも、なんて言っていいかわからなかったのかなと感じました。
寡黙すぎて、何を考えているかわからないといわれたニール・アームストロングですが、『ファースト・マン』では彼の繊細な気持ちを丁寧に描き、ライアン・ゴズリングの演技が素晴らしいです。
音楽はジャスティン・ハーウィッツ。
月面着陸時に流れる音楽がクラシカルでちょっと意外でしたが、良い音楽です。