実話がベースの『ロンドン、人生はじめます』を見ました。
『ロンドン、人生はじめます』あらすじ
ロンドンのハムステッドの高級マンションで暮らす未亡人のエミリー。
夫亡きあと浮気や借金が発覚。
貯金は減っていくばかり。
上辺ばかりのご近所づきあい、海外勤務に行ってしまう一人息子のことなど様々な問題に直面している。
ある日、マンションから旧病院跡地を眺めていると、小屋で暮らすドナルドを見かける。
ドナルドが不動産開発業者の標的にされ、立ち退き勧告に加えさまざまな嫌がらせを受けていることを知る。
『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』『アニー・ホール』のダイアン・キートンがチャーミングなヒロイン・エミリーを演じる。
相手役には『ハリー・ポッター』シリーズなど数々のハリウッド大作に出演する名優ブレンダン・グリーソン。
監督は英国アカデミー賞受賞監督で『新しい人生のはじめかた』のジョエル・ホプキンス。
『ロンドン、人生はじめます』感想
高級マンションに住む未亡人のエミリーが、ショーウインドウに飾ってある帽子の値段を見て買うのを諦めてしまう場面は切ない。
エミリーの夫は借金を残し、浮気していた。
愛人にお金を使っていたのではないか。
夫がどんな人だったか明かされないけれど、そんなところだろうと思う。
たったひとりの息子は口うるさいが、頼りにならない。
幸いにもエミリーには高級マンションが遺されている。
ロンドンの不動産は恐ろしく高価で、売れば借金が返済できるし、エミリーが老後を暮らせるほどのお金は捻出できることがわかり、胸を撫で下ろす。
『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』を彷彿とさせますが、いちばんのポイントは旧病院跡地に勝手に住み着いたドナルドが所有権を巡って裁判になること。
実話では、男性の所有権が認められ、彼は一夜にして資産家になりました。
彼は土地を売ることなくそこで暮らしたそう。
住み続ければ自分のモノになる法律があるなんて!
隠れて暮らしていたドナルドはどうやって長期間暮らしていることを証明できるのか。
違法に住んでいたとは言え、二十年近く暮らしているドナルドに同情せずにはいられない。
そして証言台に立った、ある男性。
彼は告白したくないであろうことを口にする。
この俳優さんがとてもよかった。
日本の不動産の法律で「配偶者居住権」が2020年4月から施行されているのはご存知でしょうか。
配偶者居住権とは、自宅の持ち主が亡くなっても、その妻や夫である配偶者は、引き続き自宅に住める権利のこと。
自宅の不動産を巡って、子供らが親を追い出し、自宅を売却する事案もあるそうで、そうしたことが起きないように「配偶者居住権」が設けられました。
こうした法律を知らないために、不利な選択を強いられる可能性もありますから、気に留めておくのは大事だなと思います。
渋い内容の映画ですが、名優が出演しているのでそれなりに楽しめました。
ただ、エミリーがドナルドに惹かれるポイントがわかりにくく(えー!?)という感じ。