2020年8月28日からNetflixで『コブラ会』が独占配信されています。
コブラ会と聞いてわかる人はどれだけいるでしょうか。
ベスト・キッド(1984年) に出てくるあの「コブラ会」です。
ジョニーとダニエルの人生を変えた因縁の空手大会から34年後を描く。
名作映画「ベスト・キッド」の続編シリーズ。
『コブラ会』予告編:『ベスト・キッド』の物語は続く - Netflix
ダニエル(ラルフ・マッチオ)
ジョニー(ウィリアム・ザブカ)
当時の役者がおじさんになってそのまま出演してるのが素晴らしい!
過去の映像も挿入されて懐かしさ100%。
ジョニー変わって無い!
他のキャラクターは変わり過ぎて(誰だよお前)状態。
ベスト・キッドを知っているととニヤニヤするツボがたくさんありますが、ベスト・キッドを見てない人にも楽しめる内容です。
コブラ会って邦題だと思ったら英題も『COBURAKAI』
「先生」「盆栽」など日本語が出てきてちょっと楽しい。
無意味に「ノー!センセイ!」と言ってみたくなる。
修行モノって「そんなバカな!」という演出が80年代は当たり前にあったんですが、コブラ会でも、笑える程度のハードな修行の演出があったり、技が出てきます。
それって空手なの?という気もしますが、それがベスト・キッドなんですよね。
変わらないままでいてくれてありがとう!
脚本がとてもよくできてて、物語に飽きるところが無く面白いし、あえてベタな演出も80年代を引きずってて良いです。
ジョニーとダニエルが地元で生活してるのも微笑ましい。
現代的な要素も上手く取り入れられていて、SNSで匿名のいじめ被害に悩む子供や恋愛、移民、親の離婚が描かれます。
ベスト・キッドでジョニーは悪者扱いでしたが、コブラ会の被害者な面がクローズアップされ、ジョニー目線になると彼には彼の道理があったことがわかり、新たな面からベスト・キッドを顧みることができました。
コブラ会では「情け無用」をポリシーとしています。
とにかく勝利が重要です。
80年代は特にそういう上昇志向の強い時代でした。
大人になったジョニーはコブラ会のポリシーの良い教訓だけを取り入れた新たなコブラ会を立ち上げます。
しかし、旧コブラ会の先生・ジョン・クリース(マーティン・コーヴ)の恐怖指導の呪縛から抜け出せません。
正々堂々と戦うことについて考えるとき、
思い浮かぶのは、1984年、ロサンゼルスオリンピックの山下泰裕とラシュワンの決勝戦です。
山下は右足を引きずるほど負傷していましたが、ラシュワンは、山下の右足を狙わなかったという主旨の発言をしたことから、そのフェアプレーの精神を称えられました。
後日山下は、ラシュワンが正々堂々と勝負したことは認めつつも、
「相手の弱い所に自分の強い所をぶつけてこそ本当の勝負師。
自分も、得意技が相手が痛めた所を攻めるような技であれば、遠慮なくそこを攻める」
と語っています。
34年前、準決勝でコブラ会のボビーから、過剰攻撃を受けたダニエルは負傷した足を引きずりながらジョニーとの戦いに挑みました。
まさに山下状態です。
ジョン・クリースはジョニーに、
「足を狙え。情け無用だ」
と指導します。
ジョニーは先生の指導に動揺しつつも足を狙いますが、警告を受けたのみで反則はとられませんでした。
ジョニーはコブラ会シーズン1で、そのことを正当化するような発言をしていましたが、スポーツマンシップでは勝負の勝ち負け以外にも、その過程も大事とされているので、あのときのジョニーの戦いの精神は褒められたものではものでは無かったのだと思います。
また皮肉にもダニエルの優勝を伝説化した原因ではないでしょうか。
そうしたジョニーの心の在り方が、社会人になっても影響していると言いたいのでしょうか、34年後のジョニーは残念な生活を送っています。
反対にダニエルは少年空手選手権で優勝した経験をビジネスに活かして成功しています。
ダニエルの空手を取り入れたCMが、また何とも言えず鼻につくウザさが面白いです。