2020年8月14日からNetflixで配信されている『プロジェクト・パワー』を見ました。
ジェイミー・フォックス、ジョセフ・ゴードン、マシン・ガン・ケリーが出演しています。
ジェイミー・フォックスは『Ray/レイ』アカデミー主演男優賞、ジョセフ・ゴードンは『(500)日のサマー』ゴールデングローブ賞 主演男優賞を受賞。
マシン・ガン・ケリーは人気ラッパー。
プロジェクト・パワーあらすじ
舞台はニューオリンズ。
奇妙な事件が頻発し、どうやらそれは5分間だけ超人的な能力を与える謎の薬「パワー」の仕業らしい。
地元警官のフランク(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、 売人の女学生・ロビン(ドミニク・フィッシュバック)に接触し真相を突き止めようとする。
ある日、ロビンは謎の男アート(ジェイミー・フォックス)に拉致される。
プロジェクト・パワー(感想レビュー・ネタバレあり)
5分間だけって、発想がウルトラマンみたいだし、超人的な能力って仮面ライダーみたいだし、脚本家は日本のSFやアニメがもしかして好きなの?という印象。
脚本家はMattson Tomlin(マットソントリン)。
映画『プロジェクト・パワー』をきっかけに売れっ子になった彼は現在、映画『ロックマン』の企画に関わっています。
謎の薬「パワー」は誰にでも超人的な能力を与えるわけではないところが面白い。
能力をコントロールできなければ死んでしまう、というAKIRAっぽい設定が、パワーを飲んだ人がどうなるのか、少しだけ緊張感が漂うので見ていてドキドキする。
どんな超人的な能力が出てくるのかわからない、ガチャのようなワクワク感もある。
謎の男・アートも物語が進むにつれて、 超人的な能力が備わっていることがわかってきますが、なかなかパワーを飲まない。
パワーを飲んだ超人的な怪人となった相手と素で戦い続ける。
パワーを飲まずにそれだけ強いってことは、あなたがパワーを飲んだらさぞかし強いんでしょうね!?
どんどん期待値をあげていくアート。
追い詰められてとうとうパワーを飲んだアートは、
テッ○○○ビ怪人と化す!
えー!?テッ○○○ビってそんな能力があるわけ!?
生物の不思議に興味を持つかも。そんなレベルで驚き。
生態に詳しい方なら、今さらなんでしょうけども。
ついでに言えば、パワーはひねってから飲む必要があり、アートは口の中に忍ばせていたパワーを舌技でひねったのだろうか?
なんという舌技!驚きが隠せない。
ロビンの母親はシングルマザーで重度の糖尿病。
わずかな稼ぎで娘と暮らしていると思われ、ロビンによると母親には治療が必要で、そのためには大金が必要なのだと言う。
それでロビンは売人をしている。
いとこのニュート(マシン・ガン・ケリー)が売人なので、仕事がもらいやすいという設定にも説得力がある。
ロビンのように危険な仕事に携わる子はアメリカの治安の悪い地域では珍しくないと聞く。
ロビンが、
「生活のためよ。まだ子供だし、、、」
と泣きながら訴えるのに対しアートは、
「君は売人だ。もう子供じゃない。”まだ子供”なんて言い訳は通用しない」
と言い放つ場面は、画面の向こうの多くの子に呼び掛けているように感じる。
危ないことをしてると、いつか面倒に巻き込まれることになるぞ、と。
そして、アートは説教タレるだけでなく、ロビンが道を踏み外さない手段を具体的に提示するのがいい。
画面の向こうの若者も、ジェイミー・フォックスの言うことには耳を傾けるかもしれない。
プロジェクト・パワーは謎の薬・パワーを追いながら、キャラクターの人生を掘り下げていて、深みがあって面白い。
80年代テイストが流行っていて、映像にどこか懐かしさを感じる。
ロビンの赤・黄・緑なトレーナーは懐かしい配色だし、ジョセフ・ゴードンがしてる腕時計カシオのイルミネーターもデジタル時計が流行った80年代を彷彿とさせる海外モデルだ。
きっかり5分をはかるためにフランクがカシオを選んでいるのだろうと思うと、カシオのブランド性やフランクの性格が垣間見えるのが楽しい。
↓このデザインっぽい感じ。
スーパー「ホンコンマーケット」で男性がしていた腕時計はG-SHOCKと思いきや、S-SHOCK。
↓こんな感じでパッと見は G-SHOCKに見える。
ロビンがちょっと万能すぎて「はいっ?」と感じる場面が多々見られるなど、ツッコミどころは満載ですが、概ね面白い映画でした。
ネットフリックスジャパン公式YOUTUBEで『プロジェクト・パワー』舞台裏映像: マシン・ガン・ケリーの発火シーンがアップされています。