いつも予告で期待値をあげてくるシャーリーズ・セロン。
7月10日配信の『オールド・ガード』の予告も面白いなと思っていた矢先、スティーブン・セガールのアクションにシャーリーズ・セロンがダメ出し発言!
メディアは大騒ぎになりました。
◆『オールド・ガード』あらすじ
アンディ(シャーリーズ・セロン)が率いる特殊部隊オールド・ガード。
彼らの不老不死の能力が狙われる。
主人公設定がワンダーウーマンやウルヴァリンと似てると思ったら、
原作は『スーパーマン』『ワンダーウーマン』『ウルヴァリン 』などのアメリカンコミックライター、小説家として活動するグレッグ・ルッカ。
どうりでね。
◆『オールド・ガード』感想
アンディが戦う理由は、人類を良くしたいため。
でも世界はちっとも良くならない。
正義感溢れるアンディだけれど、長いこと生きてきて体も精神も疲れてきてる。
何のために生きるのか?何のために生きているのか?
宇宙兄弟の35巻で、
宇宙飛行士のムッタとフィリップが月で作業をずっと続けてて、
「これって意味あんのかなー」って考える場面があります。
意味あるでしょ!と読み手は感じるんですが、作業してる本人には結果が見えないから「これって意味あんのかなー」って思っちゃうみたいなんです。
アンディも人類が良くならないから「これって意味あんのかな」って言葉にはしないけど思ってると思うんです。
人には「これって意味あんのかな」って思えることって小さなことも含めれば山のようにあると思います。
売り場に商品をキレイに並べたところで、すぐに売れて無くなるなら、キレイに並べるって意味あるのかな、とか。
実はキレイに並べてあるから買われてたりする。
だから意味がある。
でも本人にはわからない。
私はいいなと思ったことは相手に伝えてみるようにしています。
明日も変わらずそんなあなたでいて欲しい。
でも意味があるかわからなくても、いいじゃんとは思います。
それが、自分の生きていく中で大切にしていることなら意味なんて考える必要は無い。
自分にとってすでに意味があることなのだから。
そして誰かにもその意味は実は通じてる。
まぁ、考え出すのは疲れてる証拠だから寝るのがいちばん。
演出について、特殊部隊なはずなのに強さが感じられない。
まぁ、肉体的に弱いとしても、不老不死を活かして人の隙をついてズル賢くここまでやってきました感も薄く、演出に説得力が感じられない。
これでずっとやってこれたって、すごくない!?と不思議に思う。
シャーリーズ・セロンのアクションは前作『アトミック・ブロンド』よりは格段にアップしてます。
しかし、格闘家の動きではないせいか、なんか違う。
海外ドラマ『ウエストワールド』の主人公ドロシーを演じたエヴァン・レイチェル・ウッドはテコンドーの黒帯を取得しているだけあって、シーズン3のアクションは見応えがあるし、シャーリーズ・セロンのようにすべて自分でアクションをせず、プロに任せるべき場面は任せているので、迫力あるアクションに仕上がっています。
それでも、シャーリーズ・セロンのアクションに何か魅了するものあれば、それを見たさにスティーブン・セガールや『ジョンウィック』のキアヌ・リーブスしかり、シリーズ化がされていくのだけど、残念ながらそのような魅力にはまだ物足りない。
アトミック・ブロンドⅡの制作が発表されず、オールド・ガードが公開されたことから、シャーリーズ・セロン自身もわかってると思うし、スティーブン・セガールのへのダメ出しもシャーリーズ・セロンが『オールド・ガード』をいかにヒットさせようかともくろんだ炎上商法だと思っていて、主人公をやり続けたくて必死なのだと感じてしまう。
カメラワークを工夫すれば違ったのかもしれないけれど、監督が『フェリシティの青春』で知られるジーナ・プリンス=バイスウッド。
彼女にアクションを撮らせることになった流れがわからない。
しかし、シャーリーズ・セロンめちゃくちゃスタイルが良くて、歩いているだけでも見てられる美しさがある。
『オールド・ガード』ではさらに身体を絞ったのか、尋常じゃないジーンズ姿で、CGキャラクターを合成してるんじゃないかと思うほどスタイルが良い。
タンクトップ姿も、セクシーを通り過ぎて神々しいほどにイヤらしくない。
シャーリーズ・セロンが好きであれば『オールド・ガード』は間違いなく楽しめます。
批評家から好意的に評価されているそうだけど、シャーリーズ・セロンの魅力が大きく影響しているのではなかろうか。
シャーリーズ・セロンのトレーニングの様子を紹介した動画。
演出で気になるのは、なんでそこをケチったの?と感じる映像の安っぽさがちょいちょい出てくる。
シャーリーズ・セロンのギャラにほとんど持っていかれてるわけ?と勘ぐってしまうほどに。
せっかくちょっと良い感じになってきても、世界観が崩れてきて途端に現実に戻されてしまう。
準主役のナイルの役をキキ・レインが演じてます。
新人で今後が楽しみな女優さんなんですが、キキ・レインが必死になって戦っている後ろで、めちゃくちゃ冷静なシャーリーズ・セロンとの対比が滑稽に見えるところがあって残念。
そこで仲間意識が芽生えるのが垣間見れるとか、いい場面になるだろうに。
他にもいくつかいい場面になりそうなところがあるのに、そういう流れが見え無いので深みに欠けちゃう。
もったいないなぁ。
不老不死メンバーにゲイカップルが居るのが現代風で、お笑い担当でもあるのか、少々面白い場面がチラホラ。
娯楽としてみる分には楽しい映画です。