2019年にNHKでアニメ化された『ヴィンランド・サガ』を見ました。
とにかくAmazonレビューが熱い!
実在の人物が主人公モデルなのも興味が沸きました。
AmazonPrimeで配信中です。
漫画は第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞。
アフタヌーン公式サイト『ヴィンランド・サガ』で試し読みができます。
あらすじ
1002年、イングランド軍のヴァイキング襲撃を機に、イングランドとデンマークの戦争は激化の一途をたどっていた。
ある日、アイスランドに住むトルフィンの父・トールズを尋ねてヨーム騎士団がやってくる。
実はトールズは元ヨーム戦士団の大隊長で、屈強な戦士だった。
「本当の戦士には剣など要らぬ」
剣を捨てて暮らしていたトールズだが、戦場へ呼び戻されることに。
トルフィンは11世紀に実在したと言われるアイスランド商人ソルフィン・ソルザルソンをモデルにしていますが、脚色されたフィクションです。
ソルフィンの生涯、その出自や家系、遠征や後日談などについては、『グリーンランド人のサガ』と『赤毛のエイリークのサガ』に記され2編を総じて英語圏では「ヴィンランド・サガ」と称されます。
『ヴィンランド・サガ』感想レビュー
手漕ぎ船でアイスランド、イングランド、デンマークを行き来してるんですが、えー?そんなに頻繁に行き来できる距離なの?って地図見たら、本当だ近い!
私の記憶の世界地図はイングランドと北欧はもう少し離れてました(;^ω^)
当時、イングランドにデンマークのヴァイキングのデーン人(北方系ゲルマン人・ノルマン人)が攻めに来てたんですね。
それが段々とデンマーク王国とイングランドの国の戦いに発展し、1016年にデンマーク王国のクヌート王子が、イングランド王にります。
えー!知らなかった~!
『ヴィンランド・サガ』は、そんなクヌート王子がイングランド王になる前の話が描かれています。
王家の血筋とか、今までイギリス人はイギリス人やろ、くらいにしか認識が無かったのですが『イギリス君主一覧 - Wikipedia』の系図をさかのぼってみますと、サクソン人とデーン人の王朝がはじまりだったことがわかります。
第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞理由に、
ヴァイキングの活動を、日本の読者になじみの薄い北欧諸国の歴史をからめて描いている。
とあり、北欧諸国の歴史を知るのにもおすすめです。
予告でも言ってますが、 トルフィンはヴァイキング軍団の首領・アシュラッドを決闘で破ることを夢見て、幼少~少年期を過ごします。
『ヴィンランド・サガ』予告
アシュラッドとトルフィンは数々の戦いを一緒にくぐり抜けていくのですが、アシュラッドが敵にやられそうになるとトルフィンが「そいつを殺るのはおれだ!」と助ける奇妙な関係が出来上がります。
トルフィンは寝首を掻くこともできるんですが、戦士としてアシュラッドを倒したいんでしょうね。
トルフィンなりに戦士の誇りを持っていることが伺えます。
でもヴァイキングが幅を効かせるその時代に、そうした誇りを持って生きるって難しいんじゃないでしょうか。
『ヴィンランド・サガ』の世界はただでさえ生きにくそう、っていうか生き残れなさそう。。。
トルフィンは痛々しいほどにアシュラッドを決闘で破ることを夢見てて、人の恨みと言うのは許さない限り一生続くモノだと感じます。
このとき許すという概念が無さそうで、それはまだキリスト教がさほど普及していないからだと感じて、そういう点もヴィンランド・サガの面白いポイントでした。
アシュラッドはトルフィンを都合よく利用していきますが、信頼しているところもあるし、トルフィンが殺されても平気な感じもするし、アシュラッドの微妙な心の動きがよく表現されていると感じました。
好きとか嫌いとか、気持ちは2択じゃないんですよね。
トルフィンがトルケルという大男に負かされそうになっているとき、さっと船を引いてトルケルを置いていってしまう場面は、冷血なのか、それともトルケルなら大丈夫だと思っているのかはかりきれません。
大男トルケルの声優は大塚明夫氏!
戦いバカなトルケルが出てくるだけで、場面が面白くなります。
トルケルが片目を負傷してスネークみたいになるんですが、大塚明夫氏のファンに向けた遊び心を感じます。
エンディングテーマも良くておすすめです。
Aimer 『Torches』
milet『Drown』