「手紙にマルとかバツとか書く話なの」そのヒントで本がわかりますか?『書店員 波山個間子』(感想レビュー)おすすめ漫画
映画『ユーガット・メール』で、ライバルのフォックス書店を訪れた絵本専門店を経営するケリー(メグ・ライアン)が、書店員とお客の会話を耳にします。
お客さんが「絵本を探している」と言うのですが、書店員にはさっぱりわかりません。
見かねたケリーがその絵本のタイトルを教えてあげる。。。という場面があります。
ケリーがどれだけ絵本を愛しているか伝わってきて、好きな場面です。
1999年の映画で約20年前になりますが、ブックアドバイザーという肩書きがあったかは知りませんが、専門店のような本屋では知識の豊富な店員さんがいたんですよね。
近年、ちょっとこじゃれた本屋さんにブックアドバイザーが常駐していることが多いんですが、『書店員 波山個間子』は昔からある街の本屋さん・青ひげブックスのブックアドバイザー・波山個間子とその書店員仲間を描いた漫画です。
冒頭からさっそくお客さんが「探してもらいたい小説がある」とやってきます。
「手紙にマルとかバツとか書く話なの」
波山個間子はちょっと考えて「・・・だと思うんです」
これまで読んだ本の知識から探し出すんですが、静かに面白い。
その本のタイトルは何なの!?とワクワクします。
面白そうな本を紹介してくれるので、ちょっと読んでみようかな、という気になってきます。
本を介して会話が広がっていく楽しさが感じられる2巻。
人に本を紹介してもらって読む機会ってありますか?
「恥」
という、若い女性ファンが作家に会いに行く小説を紹介していて、面白そうだったので読んでみたことがあります。
短い小説なのですぐ読めます。青空文庫で無料で読めます。
又吉さんが「小説の内容(貧乏な作家)を真に受けた女性ファンが、相手を安心させるために自分の差し歯を抜いて汚い服で訪問したら、作家はめっちゃちゃんとしてた、とうのが面白い」と説明していて、そうやって読むのか!
又吉さんの説明がなければ、どこが面白いポイントなのかわからなかった気がします。
波山個間子や又吉さんみたいなブックアドバイザーがいたら面白そう。
波山個間子は本が好きすぎて、他人から見たらちょっと変わった人に見えると思うんですが、青ひげブックスではその性格が活かされてるところがいいと思います。
仲間とも本を通じて繋がっていて、本屋さんは本好きには最適な職場と思えます。
おすすめの漫画です。