10年の結婚に終止符。有名女優と気鋭の演出家の離婚劇。NetFlix『マリッジ・ストーリー』(感想レビュー)
ゴールデングローブ賞にスカーレット・ヨハンソンは主演女優賞、ノア・バームバックは監督賞、ローラ・ダーンは助演女優賞、アダム・ドライバーは主演男優賞にそれぞれノミネートされた『マリッジ・ストーリー』
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2019年12月6日に公開されたNetFlix『マリッジ・ストーリー』。
幸せな結婚生活の話かと思いきや、離婚のお話でした。
女優のニコールと演出家のチャーリーは離婚することを決めていて、話は穏便に進むはずだった、ニコールが弁護士を立てるまでは。
アメリカでは訴状の封筒を手渡しで受け取る文化があるんだけど、封筒を受け取ったときのチャーリーの反応!
ピキーンッ。
一瞬で空気が張り詰める。
弁護士抜きで離婚の話し合いをするって言ったじゃん!?
離婚調停中にランチで出前を取ることになったとき、何を注文していいかわからないチャーリーに代わってオーダーしてあげるニコール。
ニコールの世話焼き具合を見ていると、不器用なチャーリーが新進気鋭の演出家としての地位を築いてこれたのはニコールのおかげかもしれない。
長年夫婦だった空気を感じるやりとりを見ると、切ない気持ちになる。
ところが!
弁護士から代弁される言葉を聞くとゾッとするほど冷たい。
ニコールがほろ酔いで階段を踏み外したとき、チャーリーは「大丈夫かい?」と気遣った。
しかし弁護士からは「足を踏み外すほどアルコールを摂取し母親として好ましくない」という趣旨で突っ込まれる。
あのとき夫は私をそんな目で見ていたのか?
疑心暗鬼になりそう。
もしもチャーリー役をトム・ハンクスが演じていたなら、目を見開いて(ウソでしょ!)という面白い演技をしたであろうくらい面白い場面なんですが、アダム・ドライバーは真面目に演じている。
ふたりの離婚話は弁護士を交えて会話するほど、事態は悪化していくように見える。
そして、散々法廷でやり取りした挙句、裁判官から「実は私は移動してきたばかりで、こういう件に慣れていません。なので専門の調査員を向けます」って!
おいおい~!
ブラックユーモアの効きまくりの離婚劇!
映画『クレイマー・クレイマー』のときも感じたんですが離婚って大変。
弁護士にお金もすごくかかるし。
監督のノア・バームバックは、かつて女優・ジェニファー・ジェイソン・リーと結婚していて(2013年離婚)、ニコールとの共通点を感じさせることから、監督自身の経験に基づく物語なのでは?と思ってしまう。
『クレイマー・クレイマー』と違うのはチャーリーは几帳面で料理が得意。
子供の世話にも積極的でいいお父さん。
仕事もできて尊敬できる。
それでも離婚に至った理由とは?
今どきの離婚劇なのかもしれない。