健康診断を終え、我慢していたドーナツを買いに行く。
その場しのぎのダイエットとわかっていても、少しでも良い結果を出したかったのだ。
健康診断を終えた私の心はドーナツ祭りでワッショイワッヨイ。
ちょうどお昼だったのでミスタードーナツは混んでいたが、いつもより混んでいた理由は『ピカチュウドーナツ』のせいに違いない。
子供連れのお母さんがたくさん並んでいた。
ピカチュウドーナツは240円(税抜き)
他のドーナツの約2倍の値段するにもかかわらず飛ぶように売れていく。
子供がふたりいれば、お母さんは2個注文する。
ひとり1個買ってもらえるのか。
ふたりで半分づつに分けなさい、なんてやらないんだ。
お母さんはみんな「持ち帰りで!」と叫ぶように言っていて、それは消費税8%でお願いしますと含みがあるように聞こえた。
行列に並びながら、どのドーナツを注文しようか凝視する。
あれ?
ポンデリングのショコラ以外にチョコ生地のドーナツが無い。
お目当てのダブルチョコレート、ゴールデンチョコレート、ココナツチョコレートは?
売り切れにしてもどれかひとつくらいあってもよくないか?
もしかしてトレイが並んでないだけで奥に準備があるのではないか?
順番がきて、私は望みを託して店員に尋ねた。
「チョコレートは今の時期はお作りしてないんです」
Σ(゚д゚lll)がーーーーーーん
店員は申し訳なさそうな顔をして付け加えて言った。
「クリスマス商品を並べるスペースが無くなるのでチョコレートはお休みなんです」
えええ!?
ちょっと待って!同じ味のトレイがあっちとこっち、そっちとあっちに並んでるし、ケースの中も詰めればまだトレイが並べそうな余裕があるんですけどぉ!
申し訳なさそうな顔のままの店員さんに言っても仕方ない。
質問に答えてくれてありがとう。
悩んだ末にチョコリングを買った。
欲しいドーナツが置いてないミスドなんて~( ;∀;)
帰り道の冷たい風がますます私の心を荒ませた。
現在ミスタードーナツでは製造スケジュールの見直しや残ったドーナツのリサイクルを通して、廃棄個数の削減に努めている。
それはいいことだ。
しかし、食べたいドーナツが買えないのは悲しい。
店舗でドーナツを作っていた頃は、店員さんの判断でドーナツが補充されたものだった。
超プロフェッショナルな店舗では常にバラエティに富んだドーナツが並んでいたから、いつもお客さんで混雑していた。
親切な店員さんに当たると、今から作りますよ、と言ってもらえることもあった。
そんな時代はとっくに終わっているのにズルズルと心が引きずられている。
クリスマスが終わるまでダブルチョコレート、ゴールデンチョコレート、ココナツチョコレートはお預けなのか。
まだ1ケ月以上もあるではないか。
子供たちがピカチュウドーナツを楽しんでいる頃、私はチョコリングを食べてふて寝した。