上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか? (読書感想レビュー)
『上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?』を読みました。
小笠原医師は介護保険制度がはじまる前から往診をされていて、がんの在宅看取り率95%を実践しています。
在宅で看取りをするとはどういうことか具体例を交えてわかりやすく説明しています。

上野千鶴子が聞く 小笠原先生、ひとりで家で死ねますか? (朝日文庫)
- 作者: 上野千鶴子,小笠原文雄
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2018/06/07
- メディア: 文庫
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高齢化に伴い、在宅看取りが増加しています。
そのため従来の方法では不便が生じてきたため、かかりつけ医のシステムが改善されつつあります。
容態が安定していればモニター越しに診察を受けることが可能になり、診察を受けて24時間以内に死亡した場合は医師に死亡診断書を用意してもらえるようになりました。
今後、もっといろいろ変わってくると思います。
タイトルの「ひとりで家で死ねますか?」について、できないことはないという印象ですが、小笠原先生のようなベテランのかかりつけ医がいることが前提です。
また、おひとりさまの場合、お金があればヘルパーや看護師を24時間体制でつけることも可能でしょうが、介護保険で賄える範囲になるとひとりきりでいる時間は長くなります。
意識が朦朧としたなかで、孤独な時間を過ごす。
これが実際どうなのか、本人になってみないとわからないとは思いますが、のどが渇いても水が飲めないとか、オムツが濡れたままとか、不便な状態になるはず。
ひとりで家で死ねるけど、ある程度の出費ができる人でないと快適に家で死ねないように感じました。
誰かが「死ぬのも大変よ」と言っていましたが、なかなかぴんぴんコロリ(直前まで元気で死ぬこと)は難しいみたいです。
映画ゴッドファーザーで、ゴッドファーザーが最期、菜園を孫と走っている最中に倒れてそのまま逝ってしまうのですが、あれは幸せな死に方なのだなとわかります。