ニューヨークが舞台の映画、と聞くだけで見ようかなと言う気になる私。
これまでニューヨークが舞台の映画を見ているうちに、ニューヨークだから許される設定や、ニューヨークならではの物語が面白いと感じるようになったからです。
今回見た「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ 」も、まさにニューヨークが舞台ならでは、という物語。
略奪愛したものの、不要になった夫を元妻に返却できないかと企む物語です。
優秀な男友達から精子を提供してもらい、シングルマザーになる決心をする三十代の女性の主人公・マギー(グレタ・カーヴィグ)
この主人公の願望からしてニューヨークっぽい!
ピクルス屋を営む元数学者で、マギーに精子を提供するガイ。
マギーの元彼で、今は良き親友のトニー。
女性関係にルーズな文化人類学者のジョン・ハーディング(イーサン・ホーク)
キャリア絶好調のコロンビア大学で教鞭を執るジョンの妻・ジョーゼット(ジュリアン・ムーア)
登場人物が全員ニューヨークっぽい!
レベッカ・ミラー監督は日本好きなのか、ジョーゼットの部屋に芸者の写真やお面が飾られてました。
他にもクミコという日本人らしき女性も出てきたり。
ジョーゼットがいつもモコモコ系の服を着ているのが面白いなぁと思いました。
大学に勤めている頭の良い女性の服装にしてはユニークではありませんか?
ジョーゼットがハイファッションを着こなせる意識高い系な女性であることを表現していると思われます。
このように登場人物のファッションや部屋のインテリアの細部にまで監督のこだわりが垣間見れて、見ていて楽しい映画でした。
ジョンとジョーゼットの夫婦がお似合いでとても素敵でした!
イーサン・ホーク演じるジョンが魅力的で、女性が彼に惹かれるのも頷けます。
ジョンは褒められると、簡単に舞い上がるし、女性がちょっとその気を見せると、簡単に口説きにやってくる。
犬っぽい。
そんな単純な男性だけれど、そこが素直で可愛くて、母性本能をくすぐのではないでしょうか。
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このマギーズ・プラン 幸せのあとしまつの公式サイトにて「NYに暮す男女3人の、ちょっと”こじれた”三角関係を軽やかに描いたハートフル・コメディ」とあったのですが、おいおい、ちょっと待てよ、子供が巻き込まれてるんですけど!?
子供のいない男女が勝手に恋愛を繰り広げているなら笑えるけれど、彼らには子供がいて、両親の離婚や、お父さんの再婚に多少なりとも傷ついたり、複雑な思いを抱いている姿を見て、ハートフル・コメディとは言いにくいです。。。
この3人の中で、いちばん得をしたのはジョーゼットではないかと思います。
キャリアを築くのに、いちばんの頑張り時なとき、子育てや夫の世話から解放されたのです。
元夫にはいつでも好きに相談にのってもらえたし、子供とも定期的に会えたわけですし、子供はジョーゼットのことが好きだし、少しは離婚で傷ついたかもしれませんが、それをバネにして仕事に打ち込んだ感もあり、本の営業にも離婚話を巧みに利用している素振りが見られました。
いかにもニューヨークで成功するタイプという感じ。
ジョーゼットなら結婚生活が続いていても、仕事で成功していたでしょうね。
そう思わせるバイタリティが彼女にはあります。
つまり成功する人はどんな状況であっても自ら成功を導きだしていくものなのだと思いました。
そして、鬼嫁に見えたジョーゼットですが、結局はジョンのこれまでの功績も、ジョーゼットの助言があったからではないのか?と見ているうちに思えてきました。
結局、夫婦のことはその夫婦にしかわからない、のだと思います。
タイトルのマギーズ・プランは、結果的にノープランを意味するのだと思います。
計画を立てた人生も、あっという間に変わってしまう、それが恋愛というものなのではないでしょうか。