人間を13センチに縮める方法が発明され、人口増加問題や環境問題が解消されるだけでなく、身体を小さくすることにより、 生活費も通常の何十分の一で済むことが可能になった未来のお話。
これまでの生活で蓄えた財産が、身体を小さくした世界では82倍の14億円の価値に!
夢のような生活を送れることを知ったポール(マット・デイモン)と妻は身体を小さくする決意をします。
ユーモアたっぷりで、笑えるだけでなく、環境問題や夫婦関係に考えさせられることもあり、なかなか奥深い映画でした。
資産が14億円の価値になるのがアメリカっぽい発想だと思います。
これなら体を小さくしよう!と思う人が多いのも頷けます。
あのマット・デイモンの中年太りしたぽっこりお腹にも注目です。
「イングロリアス・バスターズ」などの悪役のイメージが強かったクリストフ・ヴァルツ(右)ですが、ダウンサイズでは結構いい人・ドゥシャン・ミルコヴィッチを演じてて、これがとってもよかった!
言葉が無くとも表情で伝える演技が素敵。
彼のおかげでグッと映画がコミカルになっています。
ドゥシャンがポールに「情けない奴だ」「なんでそんな仕事してる」などハッキリ本人に言うのが清々しく、ドゥシャンを通して段々と駄目な奴はどこへ行っても駄目で、出来る奴はどこへ行っても出来る、という縮図が見えてきます。
本作で詳しくは触れられていませんが、ドゥシャンが「妻は大きいままだ」とポールに話す場面があります。
サラリと終わるので気に留める人も少ないかと思いますが、ドゥシャンがポールに優しいのもこのあたりが関係しているのかなと思ったり、ドゥシャンにもいろいろ事情があるのだなと垣間見れる場面です。
いろいろ妙に細かくきちんとしてるので、映画がとても現実的で、身体をダウンサイズできる未来が本当にくるかも!?と思えてきます。
身体が小さくなると、これまで食べていたものが大きくなるとわかっていても、こうして見ると笑ってしまう。
そんな小さくなったらあるあるが散りばめられているのも面白い!
映画を見た後で、小さくなった自分を想像してしまいますが、でも、何が幸せなのか、体は小さくても大きくてもそれは変らないように思いました。