【ドキュメンタリー】シーモアさんと、大人のための人生入門(感想レビュー)
ひとりの人間として行き詰まりを感じていたイーサン・ホークは、ある夕食会で当時84歳のピアノ教師、シーモア・バーンスタインと出会う。
紹介文を読んで、え?あの俳優のイーサン・ホーク?
そのイーサンが、彼のピアノに魅了されてドキュメンタリー映画を撮ったと言う。
ドキュメンタリ―映画なんて撮るんだ!
紹介されるシーモア・バーンスタイン氏は、著名なピアニストで、その生い立ちを聞くと、家にはレコードすら無い音楽と無縁の家庭だったと言うから意外。
そのせいなのか、彼のピアノの解釈は独特で(そう見えた)、そうやってピアノって弾くものなのかと感心。
そして彼の指導を受けた生徒は、瞬く間に感動する音色を奏でることができます。
その授業の様子も素晴らしい。
技術を教えるとはこういうことなのだ、と感じました。
そんなシーモア氏には、朝鮮戦争の経験や、舞台に立つプレッシャーが大きく、50歳で舞台を引退した過去があります。
葛藤とは無縁のように見える穏やかなな口調で話すシーモア氏だけど、いろいろあったんだなぁ。
人って大なり小なり、人生で壁にぶつかることがあって、そういうときって克服することを推奨されますが、避けて通ってもいいんだなと感じました。
シーモア氏がベッドに入って寝支度をする場面があるんですが、そんなところを撮るんだ、っていうのがなんだか妙におかしくて、ドキュメンタリー映画なんですが、ゆるい空気感が心地よく、また時間を置いて見直してみようと思う映画でした。おすすめです。