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直木賞作家「桐島部活やめるってよ」の朝井リョウ氏。痔ろうの発症、手術、入院すべてを綴った「肛門記」㏌風と共にゆとりぬ(感想レビュー)

直木賞作家・朝井リョウ氏。痔ろうを綴る「肛門記」

 

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 2017年6月に発売された朝井リョウ氏のエッセイ集「風と共にゆとりぬ」。

朝井リョウ氏が自ら名著に見えるようにリクエストした装丁が仰々しい。

その中に、朝井リョウ氏が痔ろうの発症、手術、入院すべてを綴った肛門記が収録されています。書き下ろしです。

朝井リョウ氏は2017年の上半期に入院し、退院してほんの数ヶ月後に出版されいて、まさに痔ろうの最新実体験が綴られているのです!

痔ろうを患っている人にはタイトルが「風と共にゆとりぬ」となっているので買いやすく、本棚に置いてあっても名著のように見えるので安心。

 

肛門記は放浪記や方丈記を軽くイジって書かれています。

肛門記in風と共にゆとりぬ(感想レビュー)

 前作「時をかけるゆとり」にて朝井リョウ氏がいかにお腹を下しやすいか、1日5~6回は排便をするのかを知りました。

そんな朝井リョウ氏の肛門は年を経るごとに激痛を起こすようになるのですが、痔ろうは避けて通れない体質だったと思います。

ちなみに痔ろうはダウンタウンの浜田雅人氏も患ったことがあり、激痛で歩けなかったと語っていました。

それくらいひどい激痛が起きることは痔ろうでは珍しくありません。

肛門記を読むと、痔ろうを治療するということが、いかに屈辱的で時間的にも肉体的にも大変なことがわかりますが、他人の話は笑えるものです。

痔の検査をするのに予約が4ケ月後!と言われ「この時期、混んでるですよねえ」の医師の言葉に(痔の手術に旬があるのか)と著者の心の中の言葉に思わず笑ってしまいました。

医師の発言は年末年始の長期休暇に合わせて手術を受ける人が多い(安静にしたい為)という意味だと思うのですが、改めて(痔の手術に旬があるのか)と問われると、なるほどなぁと思うわけです。

痔ろうの体験談をブログなどで綴っている人は多いですが、やはり直木賞作家による視点や描写にはうなるものがあります。

肛門科の待合室で感動したり、肛門の写真を撮られたり、座薬に泣いたり、痔ろうをカミングアウトしたときの経験者と未体験者の反応の違いなど、痔ろうを治療する人が遭遇するであろう出来事が綴られており、興味深い体験談となっています。

痔をカミングアウトするってなかなかこの若さでできないと思うので、朝井リョウ氏がいかにエンターテイナーであるか伺い知ることができました。

追記:先日、朝井リョウ氏が結婚されたとラジオで報告されていました。なるほどキレイな身体になって結婚したのね(笑)2017年12月に入籍されたようで、お尻が間に合ってよかったです。おめでとうございます。