2000年あたりまでミスユニバースは日本から遠い国の話しだとみんなは思っていました。
どうせ日本人女性は選ばれない。
世界基準とは違う。
ところが、2006年ミス・ユニバース世界大会で、日本代表の知花くららさんが2位に入賞、
翌年、2007年ミス・ユニバース世界大会で森理世さんが優勝すると瞬く間にミスユニバースに注目が集まりました。
そのとき一緒に注目を浴びたのがミス・ユニバースジャパンのナショナルディレクター、イネス・リグロンさんです。
情熱大陸でも密着取材され、森理世と一緒に写っている表紙の世界一の美女の創りかた を執筆するとその本も大きな話題を呼びました。
イネス・リグロンが林真理子さんの著書、ビューティーキャンプに出てくるミス・ユニバースジャパンのナショナルディレクター・エルザのモデルなのは間違い無いでしょう。
ビューティーキャンプ
並河由希の転職先はミス・ユニバース日本事務局。
ボスは、NYの本部から送り込まれたエルザ・コーエン。ブロンドに10センチヒール、愛車ジャガーで都内を飛び回り、美の伝道師としてメディアでひっぱりだこの美のカリスマだ。
彼女の元に選りすぐりの美女12名が集結し、いよいよキャンプ開始。たった一人が選ばれるまで、運命の2週間。
選ばれし美しい女が強いマインドを手にした時、すべてが始まる。
本のタイトルにもなっているビューティーキャンプとは、一次オーディションで選出されたファイナリストを対象に、大会事務局と特別講師陣が独自のカリキュラムで支援するレッスンプログラムです。
最終選考までの期間に、ビューティーキャンプを通じ、ミス・ユニバース日本代表に必要とされる「知性・感性・人間性・内面・自信」を兼ね備えた女性を目指し、様々な分野で質の高いトレーニングを行います。
その様子が小説の中で描かれています。
エルザのアシスタント並河由希の視点から描かれているので、女同士のドロドロしたところよりも、もっとビジネスな方向からビューティーキャンプが描かれています。
2016年2月に出版されたとき「今さらこの題材を取り上げるの?」と思いました。
森理世さんが優勝してからほぼ10年が経っていますし、それ以降、日本人の上位入賞はありません。
題材としては旬を過ぎている印象を受けます。
それでも本書を手に取ってみたのは、林真理子さんが取材でビューティーキャンプを実際に見てきたから、とどこかで話していたから。
イネス・リグロンが情熱大陸に出演していた頃と何か変わったのかしら、、、。
本を読むのははやいほうではありませんが、あっという間に読んでしまいました。
まるでテレビ取材を見ているような描写でした。
日本で美しいとされているものと、世界との美のギャップについて触れたり、水着審査に反対する彼氏の問題など、女性ならちょっと立ち止まって考えてしまうような出来事がチラチラと描かれています。
でも登場人物に感情移入するとか、応援したくなるとか、そういうものは一切無く。
華やかな世界を垣間見て、あー、楽しかった、という感じ。
あれ?あの子はどうなったんだろう?そういうことが気になる人には向きません。