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老後はパリで。「クロワッサンで朝食を」


パリに住んでいる中村江里子さんがいつか「日本では履けないけど、パリでは履けちゃう」と短い丈のスカートについて言っていた。

この映画を見てそれを思い出した。

エストニアから出て来た「おばさん」になったアンヌはパリに住むようになって、いつしかスラリとした足を出すようになり、「マダム」という言葉が似合う女性になっていく。

アンヌの変貌ぶりはさほど画面で強調されていないものの、ラストシーンでしっかりと意味を持つ。

えっ!と驚いたものの、フランスだものね、、、とそこは思うし、現実的な説得力がある!

日本人にはまず無い感覚だと思うし、嫌悪感を感じる人は少なくないとは思う。。。けど、よかった。


この映画の端々にはすごく細かい「説得力」が散りばめており、自然に見ることができた。

アンヌがエストニアからパリに出稼ぎに行くくだりも、あらすじでは「母を看取り、、、」とあるけれど、それだけでは無いことがよくわかる。


クロワッサンで朝食を(字幕版)

エストニアで母を看取ったばかりのアンヌに、パリでの家政婦の仕事が舞い込む。悲しみを振り切るように、憧れのパリへ旅立つアンヌ。しかし、彼女を待ち受けていたのは、高級アパルトマンに独りで暮らす、毒舌で気難しい老婦人フリーダだった。

いじわるなおばあさんフリーダを演じるのは名優ジャンヌ・モローで、例え彼女が有名だと知らなくても、その演技力が素晴らしいと感じるのは間違いない。

なんと85歳!

フリーダは自宅にいるときでも、いつでも身なりが上品で素敵だな、と思っていたけれど、なんとジャンヌ・モローの私物のシャネルファッションだった。そりゃ上品だし、似合うハズ。

家ではスエットみたいな私とは全然違う。パリの女性とはそういうものなのだ、と感じた。

フリーダはアンヌと同じくエストニア出身だけど、長いことパリに住む間に、彼女はすっかりパリジェンヌになっている、ということがよく伝わってくる。


いかにもパリらしいカフェが出てくるのだけど、それはこの撮影の為に画家パスカル・コンシニ(1973年生)が手掛けたもの。

そのカフェは撮影後も そのまま使われているそう。

行ってみたい!

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住所
9 place du Général Beuret 15e

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場所は15区のヴォジラール駅界隈。

かつて、デヴィ夫人がパリに持っている家が7区にあると言っていた。

7区はお金持ち区の中でも、いちばんお金持ちの区だと聞く。

中村江里子さんのお住まいは日本でも有名な、高級住宅街のある16区。


では15区は?

15区は16区に似ているけれど、もう少しだけ庶民よりいった感じらしい。

エッフェル塔にも近く、パリ左岸の観光名所であるサン・ジェルマン・デ・プレや、モンパルナス地区へのアクセスも良いとのこと。

この15区にカフェがあるというのも、多分、リアリティがある場所なのだと思う。

こればっかりはフランスに詳しくないとちょっと楽しめないところかな。


そのカフェを経営するステファンが、これまた絶妙で、お腹が出ててちょっと剥げてるんだけど、昔はさぞかっこよかったんだろうな、と思わせ、どことなく「今も現役感」がにおう感じがパリの男性って感じでよかった。

また年齢を重ねてから見直したら違う感想を持つかもしれない。


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