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朝井リョウさんの2008年(学生時代)〜2013年(社会人)の出来事がわかる!「時をかけるゆとり」(感想)


桐島、部活やめるってよ」の著者で知られる朝井リョウさんの2008年(学生時代)〜2013年(社会人)の出来事をエッセイでつづった時をかけるゆとりを読みました。

朝井リョウさんのは「ゆとり世代」を自らとても意識してらっしゃることもあり、題名にもその言葉が含まれていると思われます。※

なんと、このエッセイには朝井リョウさんの年表がついてます!!

なんだこれは!?と思いますが、年表をつけることに担当者も困惑したそう。。。笑

はじめから期待以上のエッセイが読める気がしてきました。

常々、朝井リョウさんは面白い人なんだろうなぁと思っていて、作品にその面白さが無いことにモヤモヤとしたものを感じていたのです。

そうだよ!私が読みたかった朝井リョウさんはコレなんだよ!

時をかけるゆとり
戦後最年少直木賞作家の初エッセイ集

就活生の群像『何者』で戦後最年少の直木賞受賞者となった著者。この初エッセイ集では、天与の観察眼を駆使し、上京の日々、バイト、夏休み、就活そして社会人生活について綴る。「ゆとり世代」が「ゆとり世代」を見た、切なさとおかしみが炸裂する23編。『学生時代にやらなくてもいい20のこと』改題。”圧倒的に無意味な読書体験”があなたを待っている!?

表紙の写真もふざけてていいですね。

梅 佳代さんかな?と思ったら、辰巳ちえさんの「DK男子高校生~夏~ 」という写真集からでした。

DK男子高校生~夏~
男子高校生の日常を描いて好評だったフォトブックのシリーズ第二弾! 今回は5人の男子高校生が登場します。春から夏にむかう季節の中、彼らの学校での姿をのぞいてみました。居眠りしている顔に落書きしたり、水遊びでずぶ濡れになったり。バカなことをしていたかと思えば、野球部でまじめに練習したり。プールも始まりました。保健室で寝ている男子がいるかと思えば、屋上でモップをマイクに熱唱している男子がいる。

このエッセイは私の笑いのツボにドハマりしました。

文章のスピード感溢れる表現がものすごく上手くって、本人から聞いてるような気分で読めました。

それに男の子のバカバカしいけど、あの眩しい感じも読んでて面白かったです。


私が気に入ったのは「心の底からオーマイガーである」という表現。

ここだけ読むとルー大柴かって思うんですけど「心の底からオーマイガー」っていうCDシングルを出してもいいんじゃないか、と思う程、スルリと語呂のいい言葉だなぁと思って、これ好きです。

カットモデルの話のその残酷な会話が!!コントにしたら面白いと思いますよ、これ。

あと読んでて意外だったのが「周囲の友人に聞いてみたところ、第一志望の大学の受験で前日入りする際には、割と親がついてきている様子だった」

えっ!?

そうなの!?

ゆとり世代」だから?岐阜の人だから?

大学受験に親がついていくものなのかぁ、、、と驚いたり。

それから朝井リョウさんは現在、小説家でありながら会社員もしていて、当然、就職活動も経験したわけで、それがエッセイで書かれているので、学生さんには読んでおいて損は無いんじゃないだろうか。

期待以上に面白かったので、何度か繰り返し読みたいです。

※「ゆとり世代の著者が子供のころから今に至るまで、変り映えせず、ばかばかしく可笑しい日常を過ごしている、というようなニュアンス」と担当編集さんのタイトルの意味


学生時代にやらなくてもいい20のこと
話題の現役大学生作家の、まったくイケてない日々