「フランス人は10着しか服を持たない」という題名を見て思い出したのが「これ以前に聞いたことがある!」でした。
その昔、確かフランソワーズ・モレシャンさんだったと思いますが、雑誌の特集で「10着あれば充分」というお話をされていましたが、その雑誌を読んだときは「無理だわ!」という内容だった印象があります。
でも私も子供だったし、読み落としていた部分があるかもしれませんが、ワンシーズンごとに主な服が10着づつあれば足りる、シャツなどのインナー的な服は含まない、など、大人になってから改めて「フランス人の服のルール」というものを読んで、フランソワーズ・モレシャンさんが言いたかったのはこういうことだったのだろうな、とようやくわかりました。
なんとなーくルールはわかっていても未だに10着を着まわすということが出来ない私。
というか、「フランス人は10着しか服を持たない」の本にあるように、フランス人はほぼ同じ服を着ている、というところだけは当てはまっているので、あながち私の着まわし方はお洒落という点を除けば間違っていないと思われますが、フランス人からしたら、お洒落じゃない時点でアウトだとは思います。
さて、この本では題名からするとファッションのことをあれこれ丁寧に書いてあるのかなぁ、と思ったのですが、そうではありませんでした。
「フランス人は10着しか服を持たない」というのは著者がフランスの貴族の家にホームステイしたときに学んだエピソードのひとつでした。
フランス人は10着しか服を持たない~パリで学んだ“暮らしの質"を高める秘訣~
フランスの貴族の家にホームステイすることになる。その家を取り仕切るマダム・シックから学んだ、毎日を“特別な日”のように生きること。
私は思い込みで、著者は日本人だろう、と思っていたら、カルフォルニアガールでした。
なるほど、そりゃー、このフランス人の暮らしは驚きに満ち溢れているかもしれません。
ところが日本人からすると、昭和の小金持ちだったら、こういう慎ましくも上質な暮らし方、というのはごくありふれたものなのです。
上質服を必要な分だけクローゼットに持ち、普段は質素に暮らすけれど、お祝いなど特別なときはパッとお金を使う、などなど。
普段の暮らしも、庭先に生えてるようなお花をチョンッと切って、玄関に一輪挿しをしたり、食事も器の柄に気を配ったり、生活を楽しみながら暮らすのは日本人も得意です。
この本を読んでも特に発見の無い人もいるでしょうけれど、フランス人もそういう暮らしを重んじているということを知ったり、カルフォルニアでは全く正反対の暮らしをしているのだということを知るのは楽しいものでした。
著者の方がもしも日本にホームステイしたのなら、それもまた本を一冊出せるほどの驚きがあることでしょう。
あっ!
でも、フランス人の「太らない」暮らしについて書かれているところは興味深かったです。
キッチンの作りや食事の方法。
フランス人は食事を我慢していないのに、ほっそりしているし、何よりも自分たちの体型が好きだと思っているんですって。
それから私が本署で興味を引いたのはフランス人の朝食です。
紅茶であろうと朝はボウルで飲むこと。
多分、カフェオレボールのようなお茶碗の器で飲むのでしょうね。
そして、パリパリ伝説でもあったように、朝食は「甘いもの」が並ぶことが多いようです。
前夜の残りのタルトなんて、朝から食べます!?(食べられなくはないですけれど)
本書から「パリジャンのような素敵な女性になりたい!」ということを学ぼうと意気込むと、なーんだ、と肩透かしを喰うかもしれませんが、異文化を知る読み物としても楽しめますので、そういう意味では読んでもいいと思います。
French in Style フランスマダムから学んだ最上級の女になる秘訣
女性が年を重ねて更に輝く素晴らしさ